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キヤノン、プリンターラインアップを一新! 『PowerShot 30』などデジカメ2機種も発表――両事業ともシェアNo.1を目指す!!

2001年10月02日 23時36分更新

文● 編集部 中西祥智

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キヤノン(株)およびキヤノン販売(株)は2日、記者発表会を開催し、インクジェットプリンター8機種およびデジタルカメラ2機種を発表した。

記者発表会の様子
記者発表会の様子。200人を超える報道陣が集まり、キヤノン側の用意した資料は足りなくなった

記者発表会で、キヤノン代表取締役社長の御手洗冨士夫氏は「デジタルカメラとプリンターを合わせた、“デジタルフォト事業”で、市場シェアNo.1を目指す」と表明した。「今回の製品が、十分トップシェアを狙える製品であると、確信している」

キヤノン代表取締役社長の御手洗冨士夫氏
キヤノン代表取締役社長の御手洗冨士夫氏

カメラとプリンター双方を扱う同社にとって、デジタルカメラとプリンターを連携させることは、大きなビジネスチャンスだという。また、従来の銀塩カメラでは同社はフィルムなどの消耗品を扱っていなかったが、プリンターやデジタルカメラでは「消耗品の市場にも進出する」としている。

御手洗社長は、2005年に連結決算4兆円、そのうちデジタルフォト事業の売り上げを5000億円以上、シェアNo.1を目指すと説明した。なお、「下方修正はしたくない(御手洗社長)」ため、その5000億円というのも、極めて控えめな数字だという。

プリンターに直接接続して印刷可能なデジカメ

今回発表したデジタルカメラは、400万画素CCDを搭載した『PowerShot S40』と320万画素CCD搭載の『PowerShot S30』の2機種。両機種ともアスペクト比1:2の細長い筐体に、アルミニウム外装を施している。

『PowerShot S40』
『PowerShot S40』。カラーリングは“グラファイトグレー”
『PowerShot S30』
『PowerShot S30』カラーリングはS40よりは若干明るい“ラベンダーシルバー”

両機種とも、同日発表したインクジェットプリンター『BJ F890PD』と専用ケーブルで接続することにより、パソコンなどを介さずに直接印刷する“カメラダイレクト”が可能。印刷する画像のトリミングや回転、画像サイズの設定なども、カメラ上で行なえる。また、両機種はシャッター音など、動作時に音を発することができるが、同日サービスを開始したウェブサイト“Canon Image Gateway”から、効果音や起動時の背景画面などをダウンロードできる。同サイトには、ユーザーが自分の撮影した画像をアップロードできる“オンラインフォトアルバム”機能もある。

また、マニュアル設定機能として、シャッター速度優先や絞り優先、マニュアル露出・フォーカスなどの13種類の撮影モードや、コントラストを強調した“くっきりカラー”およびコントラストを抑えた“すっきりカラー”といった4種類の色効果モードを選択できる。ホワイトバランスはオートのほか、太陽光や蛍光灯など6種類のプリセットメニューを用意し、マニュアル設定も可能。

キヤノン常務取締役の内田恒二イメージコミュニケーション事業本部長
キヤノン常務取締役の内田恒二イメージコミュニケーション事業本部長

キヤノン常務取締役の内田恒二イメージコミュニケーション事業本部長は、「今回の機種で、デジカメのラインアップがそろった。デジカメ市場でシェアを拡大するための基礎は出来上がった」と説明した。今回の2機種および9月25日に発表した一眼レフデジタルカメラ『EOS-1D』によって、7系列10機種のラインアップが整うことになる。

キヤノンのデジカメラインアップ
キヤノンのデジカメラインアップ

S40は総画素数415万画素で有効画素数395万画素の、S30は総画素数334万画素で有効画素数321万画素の1/1.8型CCDをそれぞれ搭載する。内田氏は、原色フィルターを採用したことによる優れた色再現性や、新開発した映像エンジンによる高いS/N比などを説明した。レンズは非球面レンズ2枚を含む5群7枚の光学3倍ズームで、焦点距離は7.1~21.3mm(35mmフィルム換算で35~105mm)、F値は2.8~4.9。筐体が幅112×奥行き42×高さ58mmと、高さが低いため「レンズがカメラの中心になるよう、超高密度実装を行なっている(内田氏)」という。

S30の上面
S30の上面。上面にはズームスイッチとシャッターボタン、モード切り替えダイヤルの3つがある。左側の網目状の部分はスピーカー、中央のスロットはマイク

記録感度はISO 50/100/200/400相当で、S30はISO 800相当にも対応する。撮影距離は、通常時で80cm~∞、マクロ時で10cm~80cm。シャッタースピードは15秒~1/1500秒。デジタルズームは、S40が3.6倍、S30が3.2倍。光学ファインダーと1.8インチ低温ポリシリコンTFTカラー液晶ディスプレーを搭載する。記録ファイル方式はDCF(Design rule for Camera File system)準拠でDPOF(Digital Print Order Format)1.1対応のJPEGファイルで、記録する画像サイズはS40が最大2272×1704、S30が最大2048×1536ピクセル。また、AVI(Motion JPEG)形式の動画を最大120秒まで撮影できる。最大60秒の音声メモも可能。

S40背面
S40背面。右上のマルチコントローラーを上下左右に動かすことでメニューを操作する

記録媒体はコンパクトフラッシュ(Type I/Type II対応)で、16MBのメディアを同梱する。またパソコンとの接続用に、USBインターフェースも実装する。バッテリーは専用リチウムイオンバッテリーで、液晶ディスプレー使用時にS40は約180画像、S30で約160画像撮影できるという。重さは本体のみで約260g。価格と発売日は、S40が9万9800円で10月下旬発売、S30が8万9800円で12月上旬に発売を予定している。同社では2機種合わせて月産7万台を見込んでいるという。

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