低価格機ながらがんばっている画質
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撮影サンプル1。元画像は1280×1024ドットだが、掲載用に640×512ドットにリサイズしている。畳の部分などで白とびが起きていることがわかる。 |
実際に使用してみると、電源ONから約2秒で撮れる素早い起動など、レンズ沈胴もフォーカスもないだけにけっこう使いやすい。ただ、光学ファインダがレンズのないほぼ素通しの窓であるため、パララックス以前にきっちりとしたフレーミングが難しいのはなんとかしてほしかった。
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撮影サンプル1の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。窓枠部分に白とびと偽色が発生している。 |
撮影した画像を見てみると、思いのほか良好だ。低価格デジタルカメラのなかには画素補間して画素数を水増ししているものもあるが、MPXではCMOS自体の有効画素数は130万分の画素はあるようで、最高画素数においてもそれなりの解像感はある。
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撮影サンプル2。元画像は1024×1280ドットだが、掲載用に512×640ドットにリサイズしている。色は地味だが不自然な色強調はない。青空に注目すると周辺の減光が目立つ。 |
CMOSセンサはCCDに比べてラチチュードが低いためハイコントラストな状況下では白とびしやすいという傾向があり、MPXの画像でも階調表現はしっかりしているものの画像には白とびが目立つ。また、レンズに起因する周辺減光がかなり大きいのが気になるところだ。
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撮影サンプル3。元画像は1024×1280ドットだが、掲載用に512×640ドットにリサイズしている。逆光の中でも煙突部が黒つぶれせずにディティールが残っているなど、階調表現は良好だ。 |
2000年後半あたりから、カメラ量販店の店頭では、実売1万円以下のトイデジタルカメラがワゴンに積まれるという状況がしばらく続いている。デジタルカメラメーカーのほうでも、入門機として「CAMEDIA C-100」(オリンパス)や「Cyber-shot DSC-P20」(ソニー)「FinePix A201」(富士フイルム)「Kodak Easy Share DX3215Zoom」(コダック)などのパンフォーカス機を投入している。
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撮影サンプル3の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。ハイライトに弱いCMOSでも、こういった階調のなだらかな状況では“見れる”絵になる。 |
トイデジタルカメラが1万円を切っているとしても、2~3万円台の液晶モニタを装備しているデジタルカメラを購入したほうが実用度は高いことは確かだ。ただし、Webページの掲載やメール添付、メモ程度の用途であれば、気軽に購入できて、落としたりキズがついたりしてもあまり惜しくないという、いわば「レンズ付きフィルム」的なノリで使える低価格デジタルカメラの魅力も大きい。
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撮影サンプル4。元画像は1024×1280ドットだが、掲載用に512×640ドットにリサイズしている。夜景に近い状況だが、ライトアップした建物がちゃんと撮れている。やはり白とびが起きているが、そのためコントラストが強調された絵になった。 |
これまでVGA相当というクオリティ面での不満があった低価格デジタルカメラだが、130万画素レベルが一般化することになれば、カメラメーカーの低価格デジタルカメラも単に液晶が付いている程度という差別化だけでなく、さらに上を目指す必要があるだろう。
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撮影サンプル4の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。1万円強のデジタルカメラでこれだけのディティールの画像が撮れるのだから、コストパフォーマンスは高いと言えるだろう。 |
Mach Power MPXの主な仕様
撮像素子 |
有効約130万画素CMOSセンサ |
レンズ |
固定焦点f=10.3mm(35mmカメラ換算42.4mm)、F=3.0、パンフォーカス |
記録媒体 |
内蔵8MBメモリ、CFスロット(TypeI) |
記録画素数 |
1280×1024/640×512ドット(5:4) |
動画記録 |
160×120ドット/約30秒、MotionJPEG(QuickTime形式) |
インターフェイス |
USB、ビデオ出力 |
電源 |
単3アルカリ乾電池×2 |
本体サイズ |
95(W)×34(D)×65(H)mm |
重量 |
約120g |