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冷却CCDでノイズレス撮影に挑戦

冷却CCDでノイズレス撮影に挑戦

2001年08月19日 17時56分更新

文● 行正

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その1:空冷ファン付きデジタルカメラの試作

空冷1号
試作第1号。ペルチェ素子とヒートシンクとファンが一体となったユニットをCCD基板部にセットしている。ペルチェ素子の吸熱側を基板に押し当てているのは輪ゴムの張力によるものと、外観そのものはかなり情けない。

 とりあえず編集部のジャンク箱から出てきたメーカー不詳のペルチェ素子付きファン(多分i486用)を装着して試したところ、室温26度のところCCDの台の部分を20度前後まで冷却することができたが、これではいかにも力不足。

 なお、CCD部の温度は電子温度計で測っているが、センサは空気に触れている部分も多いので、測定温度はあくまで目安と思ってほしい。



25度真っ黒画面
室温25度における撮影結果。ISO 320で露光時間は0.8秒。1600×1200ドットを640×480ドットにトリミングしたもの。レンズキャップを付けたままの撮影なので、当然ながら真っ黒に見えるが、Adobe Photoshotの「レベル補正」でヒストグラムを確認すると、シャドー部にデータがあることがわかる。

 まずは、温度に応じてどれくらいのノイズが載るかを調べてみた。編集部の空調の効いたオフィス内では室温は25~26度に保たれている。電源を投入すると自身の発熱によりCCD部の温度は30~35度まで上昇する。ノイズを見るため、それぞれの温度(室温状態は電源投入後すぐに撮影)でレンズカバーを装着したままシャッターを押して(撮影して)みる。



25度カラフル画面
室温25度における撮影結果をAdobe Photoshotのレベル補正でガンマ値を変更してみると、シャドー部の熱ノイズが現れる。

 いずれも感度はISO320相当、露光時間0.8秒で、普通に見ても真っ暗な画像のはずだが、Adobe Photoshopの「レベル補正」機能を使って中間調位置を下げて(ガンマを上げて)ゆくと、暗部に載ったノイズが見えてくる。電源を入れた直後と、3分間通電したままの状態ではISO感度やシャッター速度が同じでも画質は大きく異なり、時間が経てばノイズも増えてくる。



35度カラフル画面
加熱により、CCDの金属台付近が35度程度になったときの撮影結果。1600×1200ドットを640×480ドットにトリミングし、レベル補正を行ったもの。ヒストグラムを25度の場合と比べると、明らかにノイズが増加している。なお、ヒストグラムを変更しない状態ではほぼ真っ黒に見える。

 念のため、CCD部の温度を上げてみるとどうなるかを試してみる。加熱はペルチェ素子に流す電流のプラスマイナスを逆にしただけだが、冷却時にはじりじりとしか下がらないCCD台部の温度があっというまに上昇し、ノイズも増えてゆく。40度ともなればレベル補正なしでも肉視できるほどノイズが増えるのだが、気温が35度を超える夏場の日中ともなればCCDがそれくらいの温度になることは容易に予想できる。もっとも、炎天下においてISO320を必要とすることは少ないだろうが、これほどのノイズが載ることを考えれば、短時間の露光においてもノイズリダクションが効いてもよいだろう。



40度黒い画面
加熱で40度程度になったときの撮影結果。1600×1200ドットを640×480ドットにトリミングしたもの。レベル補正は行わなくてもノイズが見えるようになっている。
40度カラフル画面
加熱で40度程度になったときの撮影結果に、25度/35度の場合と同じようにガンマ=4.0のレベル補正を行うと、熱ノイズが画素全域を覆っていることがわかる。
ゴールドキャノン
ペルチェ素子とCPUクーラー「MAJESTY」を装着したQV-2800UX。放熱フィンが重いため、さすがに装着は針金を用いている。

 もっとCCDを冷やすため、容量の大きなペルチェ素子(80W)とPentiumII用CPUクーラーを用意した。CPUクーラーはTITANの「MAJESTY」と呼ばれるもので、円筒形のスタイルが独特だ。

 QV-2800UXに取り付けると、後部に伸びたゴールドの冷却フィンがブラックなボディとマッチして、なんともいえない存在感を与えている。ペルチェ素子とファンの両方を12Vで駆動した場合、数分で室温26度から10度前後まで冷える。この状態での撮影結果を見ると、まだまだノイズは載っているものの、室温での撮影結果よりも明らかに減少している。デジタルカメラにおいても、CCDの冷却は確かに効果がありそうだ。



ゴールドキャノン2
QV-2800UXのレンズ鏡胴部の延長上に円筒形のクーラーが配置されるため、デザイン上けっこうマッチしている。

 なお、写真を見てのとおりペルチェ素子などは露出しているが、オーバークロッカー達のノウハウを参考にして、ペルチェ素子をウレタンなどの断熱材で覆い、CCD以外から吸熱しないように工夫すれば、ペルチェ素子と空冷ヒートシンクの組み合わせでも氷点下まで冷却できるだろう。



10度カラフル画面
10度前後における撮影結果。1600×1200ドットを640×480ドットにトリミングし、レベル補正を行ったもの。25度の場合と比べると、ほんのわずかだがノイズが減少している(ヒストグラムの山が左に寄っている)。

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