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リネオ、LinuxベースのPDA向けプラットフォームを発表

2001年06月26日 21時54分更新

文● 編集部 佐々木千之

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(株)リネオは26日、都内で記者発表会を開催し、PDA向けのソフトウェアプラットフォーム『Embedix(エンベディックス) Plus for Smart Handheld Devices』(Embedix Plus for SHD)を発表した。OS本体にJava VM、GUI、ウェブブラウザーなどPDAに必要なソフトウェアすべてを最適化して提供する。

米リネオ社Director of Worldwide BD SHDの楢崎浩一氏
米リネオ社Director of Worldwide BD SHDの楢崎浩一氏

発表会で会社と製品の概要について説明した、米リネオ社Director of Worldwide BD SHDの楢崎浩一氏によると、米リネオは、Linuxディストリビューターである米カルデラ社が子会社として'98年に設立した、組み込み向けシステムソフトウェアの専業メーカー(本社:ユタ州リンドン)。組み込み向けLinuxとそのツール群、リアルタイム処理をサポートするLinuxやDSPで動作するLinuxを開発しており、これまで、デジタルTVセットトップボックス、VPN(Virtual Private Network)専用ルーター、NAS(Network Attached Storage)、HA(高可用性)システムなどに提供してきた。

日本法人である株式会社リネオ(本社:長野県塩尻市)は、米リネオが2000年5月に組み込み機器の開発を行なっていた(株)ユナイテッドシステムエンジニア(USE)を買収し、100%出資の子会社としたもの。日本で製品開発、マーケティング、サポートなどの活動を日本市場向けに行なっているという。

リネオの組み込み向けOSには4つの系統がある。8または16bitのCPUやDSP用でモデムやワイヤレスベースステーション向けの『RTXC』、MMU(Memory Management Unit)を持たないCPU用で、VPN専用ルーターやNASアプライアンス、MP3プレーヤー向けの『uClinux』、MMUを備えたプロセッサー用でデジタルTVセットトップボックス向けの『Embedix』、さらにマルチコアプロセッサーやシステム・オン・チップ製品用でスマートフォン向けの『Embedix Multi-Core』の4系統。

リネオの4つのOSによる戦略
リネオの4つのOSによる戦略

今回発表したEmbedix Plus for SHDは、EmbedixにJava VM、GUI、ウェブブラウザー、電源管理といったコアコンポーネントと、PIM、データベース、セキュリティーのためのプロトコル、電子メールクライアントなどのオプションコンポーネントを合わせて、小型情報端末に必要なソフトウェアをトータルで提供するというもの。コンポーネントは顧客の必要に応じて取捨選択できるとしている。

発表会で行なわれたEmbedix Plus for SHDのデモ
発表会で動作デモを行なった、Embedix Plus for SHD。米インテル社のStrongARMプロセッサーで動作していた。ウェブブラウザーはOperaによるウェブ表示

コンポーネントはすべてをリネオが提供するのではなく、ウェブブラウザーではノルウェーのOpera社や(株)アクセス、Java VMでは米インシグニアソリューションズ社、英TAO Group社、GUIではノルウェーのTrolltech社、データ同期では米Starfish Software社、日本語入力では(株)ジャストシステム、といったようにそれぞれの技術分野でパートナーと提携することで提供していく戦略だ。

こちらはEmbedix Plus for SHDの“I”バージョン
こちらはEmbedix Plus for SHDの“I”バージョン。Intentの上でボールがバウンドするプログラムが動作していた

Embedix Plus for SHDには、米インシグニアソリューションズのJava VM『Jeode』を搭載する“J”バージョンと、英TAOのJava VM『Intent』を搭載する“I”バージョンの、2種類がある。両社の違いは、JバージョンはLinuxベースのアプリケーションを動かす必要のある製品向け、IバージョンはすべてJavaベースのアプリケーションを利用する製品や、Intentの持つマルチメディア機能を利用する製品向けとしている。

Embedix Plus for SHD “I”バージョンは9月末、同“J”バージョンは10月末の出荷を予定している。価格については、組み合わせるコンポーネントや、契約の規模や形態によって異なるとしており、公表はしていない。

組み込み向けや小型情報端末向けLinuxでは、米モンタビスタソフトウェア社の『Hard Hat Linux』や、米トランスメタ社の『Midori Linux』などがある。これらとの違いについて楢崎氏は「SHDに必要なソフトウェアをトータルで提供しているのはEmbedix Plus for SHDだけ。リネオは開発の受託やサポートも含め、SHDのためのワン・ストップ・ソリューションを提供する」としている。また、米パーム社のPalm OSや米マイクロソフト社のWindows CEとの比較では、価格の安さやJavaのネイティブサポート、Java/Linuxといったオープン標準である点をメリットとしてあげた。

リネオ代表取締役社長の牛山美信氏
リネオ代表取締役社長の牛山美信氏

リネオ代表取締役社長の牛山美信氏は「昨年の秋ぐらいから、組み込み向けLinuxに追い風が吹き始め、いまはもう嵐といっていいほど。会社名は明かせないが、大手メーカーからの引合いは多い」という。さらに「EmbedixはLinuxベースであり、今後普及が予想されるIPv6にも問題なく対応が可能」としており、情報家電も視野に入れて事業展開を図る構えだ。

なお、Embedix Plus for SHDは27~29日に東京ビッグサイトで開催される“組込みシステム開発技術展”(主催:リード エグジビション ジャパン)の同社ブースで展示する予定。

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