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PNIII-C700U

PNIII-C700U

2001年06月19日 17時43分更新

文● 佐久間

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PNIII-C700U

高木産業

12万8000円

高木産業の「PNIII-C700U」は、デスクトップ向けのCPUとチップセットを採用し、搭載パーツを厳選することでCD-ROM&FDD内蔵で12万8000円という低価格を実現したA4オールインワンノートだ。ここではライバル機となるエプソンダイレクト「EDiCube Note NC715」やソーテック「WinBook U270A4」などと比較しつつ、低価格ノートの真の実力を測っていく。

メモリやHDDを変更できる豊富なオプションメニューを用意

底面
「PNIII-C700U」の本体底面にある各種カバーを外したところ。2.5インチ9.5mm厚のHDDが手に入る環境であれば、換装もさほど苦ではないだろう(ただし、メーカーの動作保証外)。デスクトップ用CPUを載せているので、排熱のために比較的大きなファンが搭載され、動作中はウーンと風切り音がある。
 PNIII-C700Uは、12万8000円という低価格さを一番の売りにしたA4オールインワンノートだ。同社では、このほかにCeleron-600MHz&6GB HDD搭載の「PNIII-C600B」というモデルを11万9800円で発売しているが、ノートPCのHDDを換装するのは割高(実際、C600Bをオプションメニューで10GB HDDに変更すると+1万5700円)になるので購入時には慎重に選択したい。



前面背面
本体の前面と背面。左右2カ所のノッチを広げるようにして液晶モニタを開く。背面の端子類はカバーレスで使いやすい。USBが1つというのは心もとないが、それをカバーすべくPS/2端子が用意されている。
 主なスペックを確認していくと、CPUはCeleron-700MHz(FSB66MHz)でチップセットはSiS 630Sを採用、メモリは2つのSO-DIMMソケットのうち1つに64MB DIMMを搭載する。画面表示はチップセット内蔵のビデオ機能を利用し、メインメモリから最大32MB(標準では8MB)をビデオメモリとして使用している。そのため、標準ではメインメモリが56MBとなり、オフィスアプリを1本使う分には問題ないが、複数起動して使うとHDDへのスワップが発生してレスポンスが悪くなる。購入時にメモリを増設しておくべきだろう。



独自ユーティリティ
SiS 630/730の専用設定を開くショートカットで、マルチモニタなどの設定もここから呼び出せる。
 HDDは10GBで、初期状態での空き容量は約8GB。アプリケーションがほとんどインストールされていない(システムや画面のプロパティをすばやく表示する「SiS 630/730ユーティリティ」程度)が、これは初心者が1台目に買うというよりも、買い替えユーザー向けの仕 液晶はXGA表示可能な13.3インチTFTで、視野角は左右に広い(ほぼ真横でも色化けしない)ものの、上下はややシビアで約30度程度から色が反転して見える。とはいえ、A4ノートはデスクトップ代わりに使われるケースが多く、個人が正面に置いて使う分には困ることはないだろう。


独自ユーティリティ
ディスプレイモードの設定画面。ミラーモードは同じ画面を2つ出力するもの。プライマリ、セカンダリの切り替えも可能だが変更後は再起動を求められる。
 プレゼンテーションなどで多人数に画面を見せる場合には、背面のRGB出力端子を利用して、プロジェクタやCRTモニタなどに表示することもできる。その場合には、液晶側と同じ画面のほか、解像度を変えた異なる画面(マルチモニタ)を表示することも可能だ。マルチモニタでは、プライマリ/セカンダリを液晶と外部モニタのいずれにも設定でき、外部モニタには1280×1024ドット/6万色あるいは最大1920×1440ドット/256色という高解像度が可能となっている(ただし、SiS 630Sの仕様上、マルチモニタでは液晶側が6万色表示となる)。
 バッテリ駆動時間は、編集部のテストで1時間10分程度。モバイル用途にはやや短いが、机上で利用するA4ノートとしてはほぼ標準的な結果だ。出張などに持ち出す場合でも、付属のACアダプタがコンパクトなので、いっしょに携帯してもさほど邪魔にはならないだろう。


PNIII-C700Uとライバル機との比較
製品名 PNIII-C700U EDiCube Note NC715 WinBook U270A4
価格 12万8000円 11万9800円 12万8000円
CPU Celeron-700MHz Mobile Celeron-700MHz
チップセット SiS 630S SiS 630 440MX-100
ビデオ SiS 630S SiS 630 RAGE Mobility-L
メモリ(最大) 64MB(512MB) 64MB(320MB) 64MB(192MB)
ビデオメモリ 4/8/32MB(メインメモリ共有) 4MB(ビデオチップに内蔵)
液晶 13.3インチTFT
解像度 1024×768ドット/フルカラー
HDD 10GB(15/20GBに変更可能) 15GB(変更不可) 10GB(変更不可)
CD-ROM 24倍速
通信 モデム&LAN(無線LAN追加可能) モデム&LAN モデム(LAN追加可能)
アプリ ×/〇(Office 2000追加可能) ×/〇(Office XP追加可能) 〇(ジャストホームi、Tideo DV、乗換案内、携帯シンクほか)

 上でも書いているように、購入時にオプションとしてメモリやHDDなどの追加・変更メニューが用意されている。特にメモリではEDiCube NoteやWinBook U270A4が標準搭載(64MB)に追加増設しかできないのに対し、PNIII-C700Uでは64MB×1のSO-DIMMを128MB×1に変更(+5700円)も可能で、現在はWindows Millennium Editionで使用しつつ、将来Windows XPに移行した際にはメモリを256MBに増設するといった要望にも応えられる。
 さらに、オプションでは外付け機器ながら、USB接続のTVチューナー「TV Wonder」(1万5200円)やPCカードタイプの11Mbps対応無線LANアダプタ「PXI-300」(1万8800円)、キヤノンのカラーインクジェットプリンタ「BJ F360」も購入できるなど、秋葉原や日本橋といった電気街になかなか足を運べない地域の方に嬉しいメニューが用意されている。

 標準構成での価格は12万8000円。オプションを追加した場合の金額や送料は同社のWebサイトで確認できる。ある程度、PCを使いこなしたユーザーのサブマシンとして、選択肢のひとつに加えたい1台だ。

キーボード
2、3段目の“「”と“」”のキーが15mmと細いものの19mmピッチに統一されたキーボード。ストロークも約3mmと深く打ちやすい印象を受けた。キーボードの奥(液晶画面の手前)には、ステレオスピーカとWebブラウザを起動するショートカットボタン(左側)がある。

左右側面
本体の左右側面。PCカードスロットはTypeIIまたはIII×1で1枚しか利用できないので注意。

ACアダプタ
濃青の艶やかなACアダプタ。55(W)×94(D)×31(H)mm/0.32kgとコンパクトで携帯には便利だろう。

PNIII-C700Uの主なスペック
CPU Celeron-700MHz
メモリ 64MB
液晶 13.3インチTFT
解像度 1024×768ドット/フルカラー
HDD 10GB
CD-ROM 24倍速
通信 モデム&LAN
サイズ 315(W)×256(D)×42(H)mm
重量 約3.4kg
OS Windows Millennium Edition
Officeアプリ 〇/×(オプションで追加可能)

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