ソーテックは、2001年夏モデルよりラインナップから低価格モデル「e-note」をなくし、A4ノートのブランド名を「WinBook」に統一した。WinBookシリーズには、Mobile PentiumIII/Celeronを搭載した従来の「WinBook U」シリーズに加え、デスクトップ用(Socket370)のPentiumIII/Celeronを搭載し、高性能を低価格で提供する「WinBook WS」も新たに追加されている。
低価格/高性能のA4ノートだが
さらなる完成度を望みたい部分も
|
---|
ドライブは書き込み8倍速/書き換え4倍速のCD-RWドライブ。評価機ではソニー製の「CRX-700E」が搭載されていたが、ロットによっては同等スペックの他社製品になる可能性もあるだろう。 |
評価機の「WinBook U270R4」は、Mobile Celeron-700MHzを搭載した「WinBook U」シリーズの下位モデル。これまでe-noteが担ってきた低価格レンジをカバーするA4ノートだ。価格は春モデルのe-note(M270シリーズ)と同じ14万8000円で、液晶サイズが一回り大きい14.1インチとなり、低価格化のため従来は省略されていたIEEE1394ポートや光デジタル音声出力端子なども装備している。
スペックは、CPUがMobile Celeron-700MHz、メインメモリが標準64MB、HDD容量が10GBといった構成で、チップセットには440MX、ビデオチップにはRAGE Mobility-M(ビデオメモリ4MB)を採用している。メモリとHDDの容量は20万円前後の標準的なA4ノートに比べて若干少なめだが、普段はビジネスアプリを中心に使い、たまに音楽や画像編集を楽しむといった用途なら問題なくこなせるだろう。なお、価格/スペックの面で競合するエプソンダイレクトの「EDiCube NC715R」との機能比較表も掲載しているので参照してほしい。
ライバル機とのスペック比較
モデル名 |
WinBook U270R4 |
EDiCube NC715R |
メーカー名 |
ソーテック |
エプソンダイレクト |
価格 |
14万8000円 |
13万9800円 |
CPU |
Mobile Celeron-700MHz |
Celeron-700MHz(Socket 370) |
メモリ |
64MB |
HDD |
10GB |
15GB |
チップセット |
440MX-100 |
SiS630S |
液晶 |
14.1インチTFT |
13.3インチTFT |
CD-RW |
R8倍速/RW4倍速/CD24倍速 |
IEEE1394 |
1 |
- |
S/PDIF |
1 |
- |
LAN |
- |
○ |
高機能を低価格で提供するソーテックの持ち味が存分に発揮された本機だが、実際に製品に触れてみると、気になる部分もあった。
|
---|
スモークがかったトランスルーセントなキーボードは、カーソルキーとEnterキーの右側にPageDown/Up、Ctrlキーがあるなど、やや不規則な配列。慣れるまで時間がかかるかもしれない。 |
ひとつはキーボード。本機はA4ノートということもあり、キーピッチ19mm/ストローク3mmを確保。打鍵感も比較的しっかりとしているが、Enterキーやカーソルキーの右側にPageUp/DownやCtrlキーが配置されているという独特のレイアウトがある。特にカーソルキーは左右のキーと同じ大きさであるため、タッチタイプ時に誤入力しやすい。可能なら、他のキーより若干下側にずらす、キー形状を大幅に変更する、といった改善を加えてほしい。
また、本機ではデスクトップ用(Socket370)のCeleronを搭載するe-noteに対して、消費電力の少ないMobile Celeronを搭載しているが、その分マシンの冷却機構も簡略化されているようだ。CPUやHDDをフルに稼動させるケースは、Webブラウズやビジネスアプリ中心の使用法ではあまり考えられないが、編集部で実施したベンチマークテストなど、長時間マシンに高い負荷を掛け続けた場合、CPUの放熱部分や本体底面はかなり熱くなり、不安に感じる場面もあった。また、比較的軽めの処理でも冷却ファンが回りだすため、使っていると風切り音が気になる。このあたりはもう一段、改善の余地がありそうだ。
筐体は濃紺(ミレニアムブルー)とシルバーの2トーンカラーで、キートップはトランスルーセント。A4サイズの本体は、厚さ38.5mm/重量3.1kgとやや大柄のため、デスクトップの代替としての用途が中心になるだろう。WinBook U270シリーズには、CD-ROMドライブを搭載した下位モデル「WinBook U270A4」も用意されており、価格は12万8000円。筐体や基本スペックは本機と同等なので、CD-RWドライブの搭載よりも価格を重視するなら、こちらを選択するといい。
|
---|
ポート類はサウンド関係と赤外線ポートを除き、すべて背面に用意。Ethernetポートこそないものの、USB×2、IEEE1394端子、CRT出力などフルポートに近い構成。 |
|
---|
メモリーソケットは1つで、キーボードを外してアクセスする。オンボードの64MBと合わせて、最大192MBまで増設できる。増設メモリの価格は64MBが5000円、128MBが8000円となっている。 |
|
---|
HDDはメモリーソケットの右側に配置。評価機ではIBM製の「DJSA-210」を搭載していた。交換も比較的容易に行えそうだが、メーカー保証外になる点は注意したい。 |
|
---|
バッテリは容量3800mAhのニッケル水素充電池。バッテリ駆動時間は公称2~2.5時間となっている。 |
WinBook U270R4の主なスペック
CPU |
Mobile Celeron-700MHz |
メモリ |
64MB |
液晶 |
14.1インチTFT |
解像度 |
1024×768ドット/6万色 |
HDD |
10GB |
CD-RW |
R8倍速/RW4倍速/CD24倍速 |
通信 |
モデム |
サイズ |
312(W)×263(D)×38.5(H)mm |
重量 |
約3.1kg |
OS |
Windows Millennium Edition |
オフィスアプリ |
- |