優れた描写性能を実現する「バリオゾナー」搭載
ストラップリングの隣に見える「ジョグダイヤル」。絞りや露出補正は、ここに割り当てられている。 |
CCDは1/1.8インチ334画素原色フィルタ、レンズはカールツァイスの「バリオゾナー」(f=7~21mm、35mmフィルムカメラ換算:34~102mm F2.0~2.5)を採用。高画素数のCCDとツァイスレンズから得られる画質は、柔らかい描写でありながら細部のディテールまで見事に再現されている。発色は一見地味なように感じてしまうかもしれないが、ヘンに色調の偏りがなく自然だ。
撮影モードはフルオートのほかに絞り優先、シャッター優先、マニュアルがあり、絞り値はF2.0~8.0、シャッタースピードは1/1000~8秒まで1/3ステップで設定可能。開放F値にセットして背景をぼかしてみたり、自然光を生かした室内撮影や8秒のスローシャッターを使っての夜景撮影、高速シャッターによる撮影などユーザーの意図に合わせて撮影モードを選択できる。また超高輝度のAFイルミネータ機能(赤色LED)を内蔵したことにより、暗い場所でも高い精度でピントが合わせられる。
撮影サンプル1。元画像は1536×2048ドットだが、480×640ドットにリサイズ。F7.1、1/400。建物が太陽光に直接照らされている「コントラストが強い条件下」で撮影。このような場合、ハイライト部分が白く飛んでしまいやすいが、カールツァイスレンズ特有の柔らかい描写で、細部まで十分再現されている。 |
操作面ではメニューなどの基本操作を十字キー、絞りやシャッター、露出補正などの設定操作をジョグダイヤルに割り当てているが、ボディの大きさのわりに操作ボタンの類が小さいためカーソルキーなど使いづらい。
通常、AE・AFロックはシャッターの半押し、もしくはAE・AFロックボタンを押しっぱなしで設定するが、MVC-CD300では「AE LOCK」ボタンを一度押すと、その時点で露出を記録。開放F値でシャッターを切るときは微妙なピント合わせが必要になるが、そんなシビアな場面ではあらかじめピントなどを合わせてからフレーミングできる。
撮影サンプル1の上部を640×480ドットにトリミングしたもの。青空に若干ノイズが載っている。 |
バッテリにはソニー自慢のインフォリチウム充電池を使用、モニタ上に「バッテリ残量」を分単位で表示する。カタログスペックでは、静止画撮影で約75分/800枚、動画で約120分、再生時は約120の電池駆動が可能だ。
別売りアクセサリは豊富で、「液晶フードファインダー DSAC-MVC」(7500円)を装着すれば液晶モニタを液晶ビューファインダとして利用できる。また、ボディ側面のACC端子を使用する専用外部ストロボ「HVL-F1000」(1万6800円)や、ワイドコンバータやフィルタ、三脚側のスティックからレリーズ・ズーム操作を行なえる小型三脚「VCT-D480RM」(6000円)、などが用意されており、多用な撮影目的に対応することができる。とくに、パン棒(三脚のスティック)に装備されているレリーズは動画撮影にも便利だろう。
撮影サンプル2。スローシャッターは最長8秒まで使えるので夜景撮影も十分可能。F5.6、1.3秒、ISO100。ただし感度を上げるとノイズが目立つのが残念(ISO感度設定は自動/100/200/400から選択可)。元画像は2048×1536ドットだが、640×480ドットにリサイズしている。 |
MVC-CD300は、8cm CD-R/RWを記録メディアとすることのデメリット(本体サイズの大きさや記録時間)を考えると、すべての人にお勧めできるデジタルカメラとは言い難い。それでも、画質に関しては高い水準にあるため、CD-R/RWのメリット(PCを介さない保存など)を活かす使い方が求められる人にはよいだろう。
撮像素子 | 1/1.8インチ334万(有効324万)画素原色CCD |
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レンズ | 光学3倍ズーム7~21mm(35mmフィルムカメラ換算:34~102mm)、F2.0~2.5 |
記録画素数 | 2048×1536/2048×1360(3:2)/1600×1200/1280×960/640×480ドット |
記録媒体 | 8cm CD-R/8cm CD-RW |
露出 | 自動/シャッター優先/絞り優先/マニュアル |
シャッター速度 | 1/1000~8秒 |
ホワイトバランス | 自動/ワンプッシュ/室内/屋外 |
動画 | MPEG1/320×240ドット(ハイクオリティモードで連続15秒) |
電源 | インフォリチウムMバッテリ(NP-FM50)×1本 |
重量 | 538g(本体のみ) |
本体サイズ | 143(W)×94(D)×92(H)mm |