2000年6月に発表されたコダックの「DC4800 Zoom」は、絞り値や露出を設定するダイヤルを個別に持つなど、カメラユーザーに親しみやすいインターフェイスを追求した300万画素デジタルカメラだ。
カメラユーザーの使い勝手を考慮したデザイン
電源を入れて沈胴レンズを伸張させ、フラッシュも展開したところ。フラッシュは上面のボタン(ロック)を押すとポップアップし、同時にフラッシュモードが「発光禁止」から「オート」になる。 |
DC4800 Zoomは、330万画素(有効310万)の1/1.75インチ原色CCDと光学3倍ズームレンズを搭載するコンパクトなデジタルカメラだ。記録画素数は2160×1440/1800×1200/1536×1024ドットのアスペクト比3:2で、銀塩カメラのフィルムを意識したサイズとなっている。
グリップ部は滑らかな曲線を描いており、上面にはシャッター、モードダイヤル、露出ダイヤルなどが配置される。 |
DC4800の大きな特長が本体上面に装備するモードダイヤルで、多くのデジタルカメラではメニューとカーソル操作となっている絞り値がモードダイヤルの目盛りになっている点だ。ダイヤルの目盛りは右側から「SETUP(カメラ設定)」「PREVIEW(再生)」「P(プログラム)」となっており、次には「2.8」「5.6」「8」と、いきなり絞り値がある。多くのデジタルカメラ(や銀塩カメラ)では、スポーツ/風景/ポートレートなどのプリセットがダイヤルに配置されているが、最初から絞り優先モードを中心に考えた「絵作り」をする撮影を行うのであれば本機のほうがより使いやすい。また、モードダイヤルの横には露出補正の小さなダイヤルが配置され、メニューに入ることなく露出を操作できるのも便利だ。もちろん、絞りや露出は液晶モニタに表示されるプレビューで確認できるため、絵作りにも十分に利用できる。
背面は液晶モニタとカーソルキーというごく一般的なデジタルカメラのレイアウト。 |
モードダイヤル以外の操作は多くのデジタルカメラと同様で、背面の液晶モニタ横のカーソルキーとメニューボタンを使った操作はごく一般的なものだ。設定できる項目も多く、ホワイトバランスでは自動/屋外/白熱電球/蛍光灯といった標準的手な設定のほか、色温度の指定もできる。
メニューでカラーモードを選択できる。「シック」にしてちょうど他社のデジタルカメラに近い色合いとなる。 |
露出(マルチ/スポット/中央重点)やシャープネス、長時間露出(最大16秒)も選択できるなど、多彩な撮影が可能だ。なお、メニューからシャッター速度を設定することはできるものの、シャッター速度優先(露出自動)のモードは用意されていない。
バッテリは円筒形状の「NP-80」を使用する。富士写真フイルムの「FinePix 6800Z/6900Z」や、リコーの「RDC-7S/i500」と共通の製品だ。 |