EP-8K7Aのオーバークロックテスト
WCPUID測定画面 |
最後のテストとしてEP-8K7Aがどこまでオーバークロックに耐えることができるのか調べてみた。なお、使用したメモリは以前の記事で使用した5枚でアクセスタイミングも同じ設定としたが、5枚のうちで抜き出ていたのがVIA製PC2100(CL=2)とCrucial Technology製PC2100 (CL=2.5)だった。これは、前々回にAD11でメモリーの耐性テストを実施した時に、高成績を示したもの。ただ、AD11に比較してEP-8K7Aは、メモリーの好き嫌いが少しあるように思われた。つまり、マザーボード耐性テストでAD11と5枚のメモリが全て150MHzのFSB設定クロックで動作したが、EP-8K7AとSamsungチップを載せた2枚のモジュールだと同じ150MHzでWindowsのスタンバイまで到達しなかったのである。さて、EP-8K7Aは、最終的にCrucial Technology PC2100 CL=2.5 のDDRメモリーにDDR電圧3.0V(例の裏技を使った)でFSB設定クロック166MHzに到達し以下のベンチマークスコアを叩き出した。
3D mark 2000
3D mark 2001
Superπ(104万桁)
N-Bench(166MHz×9)
【EP-8K7Aオーバークロックテスト設定内容】
コア電圧 | 1.85V |
---|---|
DDR電圧 | 3.0V |
CPU倍率 | 9.0倍 |
SDRAM PH Limit | 8 |
SDRAM Idle Limit | 8 |
SDRAM Trc Timing | 8 |
SDRAM Trp Timing | 3 |
SDRAM Tras Timing | 7 |
SDRAM CAS Latency | 2 |
SDRAM Trcd Timing | 3 |
Super Bypass Mode | Enabled |
このテスト結果から、メモリに依存して動作するしないがあるかも知れないが、166MHzまでFSB設定クロックがセットできるEP-8K7Aは150MHzで規制されるAD11に比べてオーバークロックシステムに向いていると言える。しかもそのために高度な改造テクニックを駆使する必要性もなく手軽に高いFSB設定クロックを出せるのだから今のところ文句のつけようがない。ただ、欲を言うなら、Windows上でFSB設定クロックが操作できるアプリケーションが欲しいと思った。それと今後のことを想定すると高性能なメモリーが出現した場合にさらに高いFSB設定クロックを試してみたくなるオーバークロッカーも多いはず。メーカーには、その辺りをフォローするBIOSとアプリケーションをリリースしていただけるよう最後に熱くリクエストしておこう。
◎注意
メーカーが定めた周波数以上の動作は、CPUやメモリを含めてその他の関連機器を破損したり、寿命を縮める可能性があります。また、ベータ版BIOSの使用を含めてBIOSの更新に失敗した場合など、その結果によるいかなる損害についても、筆者およびデジタルバイヤー編集部、製造メーカー、販売店はその責を負いません。オーバークロック設定・改造・BIOSの書き替え等は自己の責任において行って下さい。なお、この記事中の内容は筆者の環境でテストした結果であり、記事中の結果を筆者およびデジタルバイヤー編集部が保証するものではありません。この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできませんので、あらかじめご了承ください。
【筆者プロフィール】鈴池 和久氏。ASCII DOS/V ISSUEではレスキュー日記でマザーボードの修復記事などを執筆。他PC改造に関する著書もある。マザーボードの回路解析やハンダごてを使ってオーバークロック改造を施すのが得意。オーバークロック歴は1995年登場のTritonチップセットの頃から。ハンドル名は「KAZ’」。大阪府在住1957年生まれ。