(社)電子情報技術産業協会(JEITA)は8日、国内パソコンメーカー17社の2000年度パソコン出荷実績を発表した。それによると、パソコン本体の総出荷台数は1292万9000台で前年比21%増、周辺機器も含めた総出荷金額は3兆1309億円で前年比3%増で、いずれも過去最高となった。
国内向けの出荷は、本体の出荷台数が過去最高の1210万2000台で前年比22%の増加となった。そのうちノートパソコンが623万2000台と全体の52%を占め、初めて50%を超えた。
国内向けの本体出荷台数。1997年度と比べてほぼ倍になった |
ノートパソコンは近年、高性能CPUの採用、液晶の大画面化、CD-R/RWドライブの搭載など、性能面でデスクトップパソコンとの差がなくなり、過去2年間で平均単価が約16%下落するなどしてプライスパフォーマンス(価格対性能比)が向上した。また、ユーザーのモバイル環境での利用も増加した。JEITAでは、それらの要因によってノートパソコンの出荷台数が堅調に増加したと推測している。
国内向けの本体出荷金額。台数が倍になったのに比べると、金額はそれほど伸びていない。パソコンの単価が下落しているためだ |
国内向けの本体出荷金額は2兆1442億円となり、初めて2兆円台に乗った。4半期ベースでも、2000年度第4四半期は、国内の本体出荷台数が369万台、本体出荷金額が6259億円と過去最高となった。JEITAは、2000年度第1四半期から第3四半期まではコンシューマー向けの出荷が堅調で、第4四半期にはそれに加えて年度末需要で企業向けの出荷が延びたためと分析している。
2001年度の国内向け本体出荷数について、JEITAでは台数ベースで12%増の1360万台、金額ベースで4%増の2兆2000億円を見込んでいる。台数の増加に比べて金額の増加が少ないのは、デスクトップ・サーバー、ノート共に、平均単価が今後も引き続き下落するため。台数ベースで12%増と強気の予想の根拠については、コンシューマー向けではブロードバンドの到来などによる需要が見込めること、企業向けでは大企業から中小企業まで、情報化投資をさらに進めるであろうことを挙げている。また、Windwos XPの登場による買い替え需要にも期待している。
JEITAの掲げる今年度のキーワード。景気に懸念を抱きつつも、さらなる出荷数の拡大を目指す |
しかし、JEITAでは景気の不透明感による消費者の買い控えが、目標達成にあたっての最大の懸念材料であるとしている。