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JEITA、2000年度の電子工業生産が過去最高額の約26兆円と発表

2000年12月22日 21時57分更新

文● 編集部 佐々木千之

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(社)電子情報技術産業協会(JEITA)(※1)は22日、国内電子工業生産の2000年(1~12月)見込みと2001年の見通しを発表した。2000年度については、IT関連機器需要の増加とアジア地域の経済成長に後押しされ、生産総額で前年比110.1%と過去最高の25兆9127億円となる見込み。これまでのピークは'97年の25兆8707億円だった。

※1 社団法人電子情報技術産業協会(Japan Electronics and Information Technology Industries Association):(社)日本電子工業振興協会(JEIDA)と(社)日本電子機械工業会(EIAJ)が統合して、2000年11月1日に発足した業界団体。

JEITA総合企画部部長代理(調査担当)の真城良一氏国内電子工業生産についての発表を行なう、JEITA総合企画部部長代理(調査担当)の真城良一氏

2000年が好調だった背景を、民生用電子機器、産業用電子機器、電子部品・デバイスの3つの分野別に見ると以下のようになる。

  • 民生用電子機器:デジタルカメラ、カーナビゲーションシステムの伸びが大きく、全体として前年比107.8%
  • 産業用電子機器:データ通信の増加に向けた大容量通信インフラの整備と半導体設備投資の増強で半導体とIC測定器が高い伸びとなり、前年比104.7%
  • 電子部品・デバイス:集積回路、液晶デバイス、受動部品、接続部品が、携帯電話、パソコン、デジタルAV機器の需要増と、輸出の回復によって前年比116.8%
  • 2001年電子工業生産見通し

    '99年実績 2000年見込み 2001年見通し
    民生用電子機器 2兆132億円(95%) 2兆1706億円(107.8%) 2兆3383億円(107.7%)
    産業用電子機器 11兆5122億円(96.9%) 12兆523億円(104.7%) 12兆5037億円(103.7%)
    電子部品・デバイス 10兆62億円(105.8%) 11兆6899億円(116.8%) 12兆9162億円(110.5%)
    電子工業合計 23兆5316億円(100.4%) 25兆9127億円(110.1%) 27兆7582億円(107.1%)
    '99年実績は通商産業省の生産動態統計によるもの。かっこ内は対前年比

    2001年における国内電子工業生産は、引き続きIT関連機器、デジタルAV機器、電子部品・デバイスを中心に順調に拡大する見通しで、2000年比107.1%の27兆7582億円と予想している。分野別見通しは以下の通り。

  • 民生用電子機器:デジタルカメラ、カーナビゲーションシステム、液晶テレビが堅調に伸び、さらにデジタルテレビの需要の拡大も望める
  • 産業用電子機器:パソコンおよびIMT-2000の開始による携帯電話などのIT関連機器、半導体・IC測定器が牽引役となる
  • 電子部品・デバイス:電子部品の接続部品や受動部品が2桁近い成長となり、また電子デバイスである半導体素子、集積回路、液晶デバイスが2000年に続き2桁成長が見込める
  • 各分野に含まれる品目のうち、いくつか注目の品目の数字を以下にあげる。

    電子工業生産品目別見通し(抜粋)

    '99年実績 2000年見込み 2001年見通し
    民生用電子機器部門
    デジタルカメラ 統計無し 3050億円 4181.6億円(137.1%)
    カーナビ 1657.15億円(116.8%) 2003億円(120.9%) 2135.2億円(106.6%)
    産業用電子機器部門
    自動車・携帯電話 1兆844.64億円(116.3%) 1兆4192.5億円(130.9%) 1兆6278.8億円(114.7%)
    パソコン 2兆2705.19億円(108.5%) 2兆5206.2億円(111%) 2兆6214.4億円(104%)
    電子部品・デバイス部門
    集積回路 3兆7243.43億円(107.3%) 4兆6186.62億円(124.3%) 5兆2348.99億円(113.3%)
    液晶デバイス 1兆2437.56億円(141.8%) 1兆4475.94億円(116.4%) 1兆6577.37億円(114.5%)

    需要が急速に拡大しつつあるデジタルカメラは、2000年の台数ベースでは920万台の生産となった。2000年のデジタルカメラの世界市場は約1000万台と見積もられており、日本が約9割の生産を占めている。金額でも民生用電子機器全体の14%を占める大型製品となった。2001年も137%と大きな伸びを予測している。

    自動車・携帯電話は、インターネット接続サービスの提供により利用者が増加し、新規・買い換え需要が共に好調に推移している。数字では出ていないが、PHSも高速データ電送サービスによる非音声通信の利用が拡大し、安定的に推移しているという。2000年3月に、移動電話の累積加入数が固定電話を初めて上回ったが、今回2000年の生産額で、無線通信機器生産額が2兆2395億円と有線通信の1兆9693億円を初めて上回った。今後はいっそうその差が開いていくと見られる。

    パソコンは企業向けが回復すると共に個人向けが好調のため高伸長が続くが、低価格化が進み金額ベースの伸びは台数ベースを下回る見込み。

    液晶デバイスは、大型製品の低価格化と中小製品の比率増加によって伸び率が鈍化するものの、2桁成長は維持される見込み。大型製品はパソコン向けなどが好調だが、供給能力の増強が追いつかないことと海外メーカーとの価格競争により、前年比ではわずかにマイナスの99.4%となる。中小製品は、デジタルカメラ、携帯ゲーム機向けが大きく伸び前年比149%と大きく伸びる。また駆動方式別では、TFTに代表されるアクティブ型が前年比112.3%と伸びる一方で、STNに代表されるパッシブ型は84%と大きく減少するとしている。

    発表会後記者団から、米国やヨーロッパで景気後退が顕著になっているにもかかわらず、2001年の伸び予想が楽観的すぎるのではないかという質問が出たが、それらの要件についてもある程度は加味した上での数字だとした。

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