(社)電子情報技術産業協会(JEITA)は31日、国内パソコンメーカー17社の2001年度上半期(4月~9月)、および第2四半期(7月~9月)におけるパソコンの出荷実績を発表した。
それによると、上半期のパソコン本体の、国内と海外輸出を含む総出荷台数は538万1000台で前年同期比11%減、周辺機器を含む総出荷金額は1兆2454億円で同18%減、うち本体総出荷金額は8891億円で同20%減となった。また第2四半期の本体総出荷台数は243万9000台で前年同期比22%減、周辺機器を含む総出荷金額は5553億円で同30%減、うち本体出荷金額は3932億円で同32%減となり、'97年以来の大幅な減少となった。
国内向けの出荷台数の推移。前年同期に比べて10%減少している |
出荷金額の推移。平均単価の値下がりの影響もあり、前年同期比19%減となっている |
国内向けの出荷は、上半期は本体の出荷台数が506万6000台で前年同期比10%減、このうちノートパソコンの出荷台数は275万2000台で同1%減となった。ノートパソコンについては売上比率が順調に伸びてきており、過去最高の54%となった。なお、出荷金額は8367億円で、前年同期比19%減となっている。
タイプ別の売り上げ推移。ノートパソコンの占める割合が増えている |
第2四半期の国内向けの出荷台数を見ると、227万3000台で前年同期比21%減、出荷金額は3667億円で同32%減となっており、第1四半期の出荷台数が279万3000台、出荷金額が4710億円だったことに比べて、大幅な減少となった。パソコン1台あたりの平均単価は、デスクトップタイプ/サーバータイプが15万4000円、ノートパソコンタイプが16万7000円、全体平均で16万1000円と、前年度同期の全体平均18万7000円に比べて14%下がっていることが、出荷金額の減少にも影響している。
平均単価の推移(第2四半期現在) |
JEITAでは、2001年度の国内向け本体出荷数について、台数ベースで12%増の1360万台、金額ベースで4%増の2兆2000億円を見込んでいたが、予想に反して大幅な減少となった。この原因として、景気が先行き不透明であることなどから、企業が投資を抑制し、消費者が買い控えをしていることなどを挙げた。買い控えの原因については、第2四半期の売り上げが減少していることなどから、消費者が11月のWindows XPの発売を待ったのではないかとした。
一方、Windows XPの発売による影響について、JEITAの幹事長である(株)日立製作所インターネットプラットフォーム事業部マーケティング部部長の木村政孝氏は「消費者の目はWindows XPを搭載したパソコンではなく、XPのパッケージのほうに向いているように見える。コンシューマー向けの市場には効果が見られるかもしれないが、搭載パソコンが本格的に出そろうのは3、4ヵ月後。搭載パソコンの需要は、未だ見えていない」と述べた。
2001年度の出荷台数の予想。今回の減少を受けて、下方修正した |
JEITAでは、今回の実績を受けて、2001年度の想定出荷台数を1060万台に下方修正した。しかし今回発表した数字は、ビジネス向け・コンシューマー向けのパソコン本体の出荷台数と売り上げであって、IT市場全体の動向を見ると、サーバー市場などは出荷台数・売り上げともに伸びてきているという。
JEITAパーソナルコンピュータ事業委員会委員長である、日立製作所インターネットプラットフォーム事業部長の篠崎雅継氏 |
JEITAパーソナルコンピュータ事業委員会委員長である、日立製作所インターネットプラットフォーム事業部長の篠崎雅継氏は「2001年度の市場は、例えるなら階段の“踊り場”の時期にある。下半期および来年度は、ブロードバンドの普及などが引き金となって、高性能な新機種の売れ行きが伸びることを期待している」と述べた。