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MegaVi DigitalVideo/R.2

MegaVi DigitalVideo/R.2

2001年03月16日 00時56分更新

文● 伊藤裕也

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基本を押さえた編集機能

 キャプチャした映像は、AVIフォーマットのビデオクリップとしてメディアブラウザに自動的に登録される。このメディアブラウザはビデオタイトルを作成するための素材を管理するウィンドウで、キャプチャしたデータ以外にも、AVI/QuickTimeムービーといった動画や、BMP/JPEG/GIFなどの静止画、WAVE/MP3の音声ファイルなど、さまざまなデータを一括して管理できる。
 そしてそのメディアブラウザで読み込めるデータ形式の拡張が、MegaVi/R2における機能強化点のひとつだ。今回追加されたのは、動画ではMPEG2とMotionJPEG、静止画はPICT/Windowsメタファイル(WMF)/TIF、そして音声はWindowsMediaAudio(WMA)の6種類。この中で特筆すべきは、MotionJPEGへの対応だろう。ここでいうMotionJPEGとは、一部のデジタル(スチル)カメラに付属する「動画撮影」機能で採用されているビデオフォーマットを指す。つまり、そういった動画撮影機能で作成したビデオクリップを、MegaVi/R2ではCODECのインストールなしに読み込めるわけだ。このMotionJPEGのサポートについてもう少し詳しく説明すると、MegaVi/R2ではMorgan Multimedia社のCODECを搭載することで、このサポートを行っている。Motion JPEGベースのビデオキャプチャカードなどで作成したビデオクリップを読み込むには、当然のことながらそれぞれに合うCODECのインストールが必要だ。

トランジションエフェクト
トランジションエフェクトの設定ダイアログ。トランジションエフェクトはクロスフェードのほか、クロックワイプ、モザイクなどTVでよく見かけるポピュラーなものが13種類用意されている。

 キャプチャしたビデオクリップの編集は、メディアブラウザに登録した素材をビデオエディタにドラッグ&ドロップするだけ。MegaVi /R2では複数のビデオクリップを単純に連結する以外に、字幕スーパーの挿入やトランジションエフェクト(=場面転換、クロスフェード/クロックワイプなど13種類)の適用、それにフィルタ(グレースケール/色反転など7種)の追加など、基本的な編集処理はひととおり実行できる。
 ビデオエディタがサポートしているトラックは、字幕スーパーを扱う「テロップ」、イメージ(静止画)を扱う「スチル」、映像を扱う「ビデオ」が各1つに、音声を扱う「オーディオ」が3つ(うち1つは映像に付属する音声のトラック)といった構成でその数は必ずしも多くはないが、ビデオカメラで撮影した映像を再構成してタイトルやBGM、ナレーションを付加する程度の簡単なビデオ編集であれば、ラクラク対応するチカラを有している。



フィルタに関する設定
ビデオのフィルタに関する設定。トランジションエフェクトの設定ダイアログのように、こちらもプレビュー表示を行ってくれるとよりわかりやすくなると思うのだが……。

ファイルの出力フォーマットを大幅強化

 作成したビデオタイトルの出力は、ビデオエディタ上にある「Write」ボタンを押すことにより行える。出力方法ならびに出力先は

  • DV機器(DVC)にDVデータとして出力
  • HDDにビデオクリップとして保存
  • CD-R/CD-RWメディアにVideoCDイメージとして出力(直接書き込み可能なCD-RWドライブは同社Webサイトで確認)

――の3種類。目的に合わせて、ベストな出力方法を選択できるわけだ。

ビデオ出力の設定ダイアログ
ビデオ出力の設定ダイアログ。DVに対する書き戻しやビデオファイルの出力はもちろん、VideoCDの作成にも対応している。

 MegaVi/R2で対応している出力フォーマットは、AVIにMPEG1/MPEG2、そしてWindowsMediaファイル(WMV)の4種類で、このうちMPEG2とWindowsMediaファイルが、MegaVi/R2において新しくサポートしたフォーマットだ。MPEG2エンコーダは速度に定評のあるLigos社のエンジンを採用しており、その映像品質は4種類のプリセットからファイルサイズや目的に合わせて選ぶことになる(ユーザーが解像度やデータレートを自由に設定することはできない)。最も高品質なモードは、解像度が720×480ドット、フレームレートは29.97fps、ビットレートは明示されていないが、作成したファイルサイズから計算すると約6Mbps。いわゆる、DVD並みの高画質なビデオを自作できるわけだ。プリセットにはこのほか、720×480ドット/29.97fps/約2Mbps、320×240ドット/29.97fps/約6Mbps、320×240ドット/29.97fps/約2Mbps、といった設定が用意されている。
 一方、WindowsMediaファイルは、フルモーションによる高画質のビデオ(320×240ドット/30fps/約600Kbps)から、Webサーバにアップロードすることを前提としたストリーミング用途のもの(176×144ドット/15fps/30Kbps)まで、4つのプリセットを用意している。CD-Rなどに保存して配布したり、ビデオメールを作成する場合には、WindowsMediaPlayer 7さえあれば再生できるWindowsMediaファイルのほうがいいだろう。画質と汎用性、両フォーマットのメリットを見極め、うまく使い分けてほしい。

 価格は9800円。ジャストシステム製品の登録ユーザーであれば、同社の直販を通じて優待パッケージ(6800円)が購入可能だ。
 機能面ではPremiereなどの本格的なビデオ編集ソフトにかなうところではないが、一般のご家庭でビデオの編集を行う分にはまず問題ないだろう。インターフェイスの作りが丁寧で操作しやすいこと、また、気軽に購入できる価格であることを考えれば、ビデオ編集をこれから始めよう――という人のファーストステップに最適といえる。


MegaVi DigitalVideo/R.2の主なスペック
製品名 MegaVi DigitalVideo/R.2
価格 9800円
発売元 (株)ジャストシステム
連絡先 03-5412-3939/06-6886-9300
URL http://www.justsystem.co.jp/
対応OS Windows 98 SE/Me/2000
CPU PentiumIII-500MHz以上を推奨(デュアルCPUには未対応)
メモリ 128MB以上を推奨

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