さまざまな分野の人々がロボットについて自由に語り合う“ロボットサロン”が、15日に開催された。
“ロボットサロン” |
1999年の11月11日に初めて開催した“ロボットサロン”は今回で8回目となる。今回は、これまでの活動の総括と今後の方針、大阪府や神奈川県で行われる“ロボフェスタ”について話し合った。
会の冒頭に同会会長を務める小野晋也衆議院議員は「いろいろな分野の人々が集まって話をすることで、21世紀のロボット振興に役立ってくれるものと思う」と会への期待を語った。
“ロボットサロン”会長小野晋也衆議院議員「今のロボットは、黎明期のパソコンに近い。何に使えるのか、どう使うのかといったアイデアがほしい」 |
“ロボットサロン”は時々笑い声のまじる、なごやかな雰囲気で行なわれた。これまでの活動の総括としては、7回にわたる会合、議論を通じてロボットと社会との関係に対する理解も深まり、一定の成果を得たとしている。
今後の活動については、実用化、実機化にむけた具体的なアイデアを“ロボフェスタ”などの場で広く募集して検討する、という意見が大勢を占めた。また、同会や事務局である(社)日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会(JPSA)を通じて、アイデアを持つ人々と技術を持つ人々を結びつける枠組み作りを行なうことでも意見が一致した。
NECエレクトロンデバイス ソリューション技術本部 エキスパート 後藤富雄氏(パソコン黎明期のパイオニアの一人でTK-80の開発者)「ロボットに関するさまざまな部品の規格を標準化すれば、だれもが簡単に組み立てられるようになる」 |
HONDAやSONYの二足歩行ロボットについて疑問の声も
その一方で、ソニー(株)の二足歩行ロボット“SDR-3X”や本田技研工業(株)の“ASIMO”については意見が分かれた。「実際にはロボットは単体で外界のいかなる状況にも対応できるレベルではない。しかし、ソニーやホンダのロボットは、そういったロボットが身近になったと一般の人々に幻想を与える」という意見がある一方、「我々はあらゆるロボットに対して、肯定的であるべきではないか」という意見も出た。“ロボットサロン”の扱う“ロボット”という概念そのものについて見つめなおすことも、今後の課題とされた。