このページの本文へ

「“物作りは人作り”がロボコンの基本」――ロボットサロンで森東工大名誉教授が講演

2000年05月19日 00時00分更新

文● 編集部 桑本美鈴

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

国内のロボット関連有識者が集う“ロボットサロン”が18日に都内で開催された。第4回となる今回は“ロボット競技の有効性と課題を考える”をテーマに実施され、ロボットサロンの最高顧問である森政弘氏(東京工業大学名誉教授)が基調講演を行なった。

基調講演の前に挨拶に立ったロボットサロン会長の小野晋也衆議院議員。「これまでは経済原理を中心に社会が築かれてきたが、もっと人を育むような文明社会を作るべきだ。情報社会の中で、より人間とコミュニケーションを取りやすいインターフェース、つまりロボット端末が、これからのインターフェースの姿になるのではないか」
基調講演の前に挨拶に立ったロボットサロン会長の小野晋也衆議院議員。「これまでは経済原理を中心に社会が築かれてきたが、もっと人を育むような文明社会を作るべきだ。情報社会の中で、より人間とコミュニケーションを取りやすいインターフェース、つまりロボット端末が、これからのインターフェースの姿になるのではないか」



ロボットコンテスト(ロボコン)の生みの親である森氏は、「ハードウェアには人間を引き付ける魅力がある。人間は物なしには生きられない。ロボコンのムードは運動会以上。見ていて感動する。ロボコンは当事者を没入させるのだが、これは人間にとって大事なこと。人間学的にも何かに熱中すると前頭葉が刺激されてエキサイトし、創造性も養われ、人間ができてくる。私は“登校拒否を下校拒否に変えるロボコン”と言っている」

講演中、ビー玉を入れた試験管を暖めると空気が膨張し、ピストン動くという実験を見せてくれた森氏。来場者の注目が集まる中、森氏は「このようにハードウェアを見せると、人は一気に集中する。これが本物の説得力。黒板で理論ばかり並べていてはいけない」とコメント
講演中、ビー玉を入れた試験管を暖めると空気が膨張し、ピストン動くという実験を見せてくれた森氏。来場者の注目が集まる中、森氏は「このようにハードウェアを見せると、人は一気に集中する。これが本物の説得力。黒板で理論ばかり並べていてはいけない」とコメント



「同じ熱中の仕方でもいろいろあるが、質の違いが出てくるだろう。人間には、深くやることと浅く広くやることの両方が必要だ。物作りは人作り。今後は物観のレベルアップが必要だ。これまでロボットは人間の目下としての存在だったが、物は人を育てる。これがロボコンの基本だ」と語った。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン