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コネクサントから独立のマインドスピード、WAN製品に注力

2001年03月08日 21時48分更新

文● 編集部 佐々木千之

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2月1日にコネクサント・システムズ・ジャパン(株)から分離独立したマインドスピード・テクノロジーズ(株)は8日、米本社からラウフ・ハリムCEOを招き、報道関係者向けに今後の事業について説明した。

コネクサントは米ロックウェル インターナショナル社の半導体部門であるロックウェル・セミコンダクタ・システムズが'99年1月に分離独立して設立された企業で、通信関連半導体の専門メーカーとしては世界最大規模。マインドスピードは、このコネクサントからさらにxDSLやWAN関連製品を受け持つネットワークアクセス部門が分離独立したもの。

ラウフ・ハリムCEO
米マインドスピード・テクノロジーズ(現在はコネクサント・システムズの一部門)、ラウフ・ハリムCEO

コネクサントは2000年10月に、マインドスピードの新CEOとなったハリム氏の来日にあわせて、事業概要説明を行なっている。この際には、まず米本社が2001年1月に分離独立するとともにIPOを行なうとしていたが、その後の株価の低迷でIPOが延期されたのに伴って、米社はいまだに分離していない。ただし、社内組織としては独立したカンパニーとして活動しているという。

逆に米社以外については、ヨーロッパ、アジア、日本ともにすでに現地法人として分離独立し、企業活動を開始している。日本は2月26日付けで、“マインドスピード・テクノロジーズ株式会社”(資本金1億1155万円。本社東京都渋谷区)を設立し、コネクサントの営業本部長であった村山隆志氏が代表取締役に就任した。現時点では米社独立の具体的時期は明らかにされていないが、年内には全社的に完全に独立するとしている。

ハリムCEOの説明によると、マインドスピードはコネクサントの半導体工場は引き継がず、ファブレス(工場を持たない)の半導体企業となる。半導体の生産については、台湾のUMC、台湾のTSMC、川崎製鉄(株)、セイコーエプソン(株)、シンガポールのChartered Semiconductor Manufacturing社に生産委託する。なおガリウムヒ素半導体については、設備の関係からコネクサントの工場を使用するという。

'98会計年度('97年10月~'98年9月)から2000年会計年度('99年10月~2000年9月)まで、前年比100%以上という急成長で、2001年度も100%は難しいとしながらもかなり高い成長になるという見通しを示した。

WANトランスポート製品の成長グラフ
WANトランスポート製品の成長グラフ。'99会計年度から2000年度に100%の伸びを示したという

マインドスピードの主力となる製品分野は、音声/データ/ファクスを含むアナログおよびデジタル通信製品の“マルチサービスアクセス”、SDSL/ADSL製品などの“ブロードバンドアクセス”、光/ATM関連製品などの“WANトランスポート”の3分野。これらの分野においてマインドスピードは業界の1、2位を占めているのだという。また、マインドスピードが最も力を入れているのがWANトランスポートの分野で、高速ルーター、ATMスイッチ、光スイッチといった製品を、米シスコシステムズ社、仏アルカテル社、米ルーセントテクノロジーズ社、カナダのノーテルネットワークス社などの大手顧客に提供しているという。このマインドスピードは、分離独立に先立ってWANトランスポートの分野を強化するために関連企業を買収(※1)するなど、過去3年間に20億ドル(約2400億円)の投資を行なっている。今後の投資額については明言を避けた。ただ、売り上げが今後も大きな伸びを示すことが予想されるため、全体に対する開発関連投資の割合は下がることになるとした。

※1 ネットワークプロセッサー関連技術を持つ米Maker Communications社、光ネットワーク関連のCMOS半導体技術を持つ英Microcosm Communications社、ATMハードウェア製品技術を持つ米Applied Telecom社、スイッチファブリックやバックプレーントランシーバー技術を持つ米HotRail社、SONET/SHD互換のインターフェースデバイス技術を持つイスラエルのNovanet Semiconductor社、大規模通信事業者向けネットワーキングソフトウェア技術を持つ米NetPlane Systems社の6社。

マインドスピード・テクノロジーズ(株)の村山隆志代表取締役社長
マインドスピード・テクノロジーズ(株)の村山隆志代表取締役社長

ハリム氏に続いて、村山氏が日本における事業戦略について説明した。それによると、基本的な注力分野はWANトランスポートだが、サポート体制を強化し顧客企業が迅速な製品投入を行なえるよう、製品情報の早期提供や開発支援を行なうという。また、ADSL/SDSLなど日本独自の仕様に従った製品や、諸外国の企業に比べて厳しい評価基準についても対応し、同社のスローガンである“Build it first(誰よりも早く作り上げる)”を実現したいという。そのほか、マインドスピードの製品や技術の認知度を向上するため、顧客起用向けのセミナーや広報、広告活動を強化していくと述べた。

マインドスピードでは、米国のIT市場の成長鈍化を受けて、日本、中国、欧州市場の伸びに期待している。日本では今後xDSLや光関連の通信インフラに対して大きな投資が行なわれることから、この分野に強みを持つマインドスピードでは、これを好機と見て日本での売り上げを大きく伸ばすことを狙っている。

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