モバイル/ワイヤレス関連専門の半導体企業であるスカイワークス・ソリューションズ(株)は18日、都内で報道関係者やアナリストを集めてラウンドテーブルを開催した。このラウンドテーブルでは親会社である米スカイワークス・ソリューションズ社取締役兼特別顧問のモイズ・ベグワラ(Moiz Beguwala)氏、マーケティング・セールス担当上席副社長のリアム・グリフィン(Liam Griffin)氏が事業状況と売り上げ予測について説明した。
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米スカイワークス・ソリューションズ社取締役兼特別顧問のモイズ・ベグワラ氏 |
“スカイワークス・ソリューションズ株式会社”は、米コネクサント・システムズ社のワイヤレス通信部門が分離独立して、RFチップと電子部品製造メーカーである米アルファ・インダストリーズ社と合併して6月22日(米国時間)に設立した米スカイワークス・ソリューションズ社の日本法人。コネクサント自身、1999年に米ロックウェル インターナショナル社の半導体部門が分離独立した半導体メーカーで、2001年3月にはネットワーク通信部門を米マインドスピード・テクノロジーズ社として分離している。
ベグワラ氏は「スカイワークス・ソリューションズは年商6億ドル(約700億円)に達する、ワイヤレス専門の半導体企業。チップだけでなく、ソフトも含めたソリューションを提供していく。我々の強みは業界をリードする技術を持っていること、コネクサントとアルファの技術を組み合わせることで一層強いものとなった。また、ノキア、モトローラ、サムスン、ソニー・エリクソンという、強力な顧客を持っていることも強みだ」と述べた。
| マーケティング・セールス担当上席副社長のリアム・グリフィン氏 |
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続いて説明したグリフィン氏によると「コネクサントとアルファの製品と技術は相互に補完する関係にあり、両社が統合したスカイワークスはワイヤレス分野で最も広い製品ラインアップと、パッケージング技術、プロセス技術をも備えている」という。特にパワーアンプ(PA)モジュールに関しては1億7500万個の出荷実績を持ち、「2001年のPAモジュール市場で31.1%のシェアを誇るNo.1企業だ」と強調した。
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グリフィン氏が示した、スカイワークスがリーダーシップを取っている分野の表。コネクサントとアルファでの強みが生かされているという(表中の緑の丸が強いところ) |
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スカイワークスが最も強いコンポーネントの1つである、PAモジュール |
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PAモジュール市場における、各半導体メーカーのシェア。スカイワークスは31.1%でトップ |
スカイワークスは、周波数フィルター、PAモジュール、レシーバー/トランスミッター、DSP、オーディオなど、携帯電話を構成する必須コンポーネントのすべてと、DSPファームウェア、ネットワークアクセスソフトウェアなどのソフトウェア資産も持っており「世界で最も完全なGSM/GPRS携帯電話、さらには3Gにも対応したプラットフォームを備えている」(グリフィン氏)という。また、携帯電話における強みと共に、ワイヤレスインフラ製品を構成する電子部品においても業界をリードする立場であるとしている。
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スカイワークスの技術・サービスだけでGSM/GPRS対応端末を提供できるという |
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スカイワークスの携帯電話以外の強みであるワイヤレスインフラ向け電子部品。これはアルファ・インダストリーズの資産だという |
日本市場など地域別の売り上げ目標などは示さなかったが、ベグワラ氏は世界全体では2001年(暦年。以下同)の売り上げ5億ドル(約580億円)に対して、2002年は6億5000万~7億5000万ドル(約750億~約870億円)と大きく伸びそうだとの見通しを示した。
| スカイワークス・ソリューションズ(株)代表取締役の服部幹雄氏。世界市場でのPAモジュールやスイッチICの強みを日本市場でアピールしていきたいという |
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