実用上のパフォーマンスは期待以上、バッテリ駆動時間も驚異的
さて、注目のパフォーマンスだが、ASCII Lab.製ベンチマークテストの結果を以下に示す。
C1VJにはパワーマネジメントユーティリティ「PowerPanel」がインストールされており、LongRunテクノロジを利用する2種類のモード(パフォーマンスモード/エコノミーモード)とLongRunテクノロジを利用せずCPUクロックと動作電圧を固定する「最高CPUパフォーマンス(600MHz)」、「最低CPUパフォーマンス(300MHz)」の計4種類のCPUの動作状態を任意に選択できるので、それぞれのベンチ結果を示す。比較にはC1の3代前のモデル「PCG-C1XE」と同等のスペックを持つMobile PentiumII-266PEMHz搭載の反射型液晶モデル「PCG-C2GPS」(メインメモリ64MB)の結果を用いた。
そもそもCrusoeは高負荷ををかけ続けるベンチマークテストのような用途には向いていないCPUであり、結果も実クロックの1/3程度のパフォーマンスといったところだが、実際にさまざまなアプリケーションを動作させてみたり、MOTION EYEで動画を記録してみたりした限りではそこまで遅いといった印象はなかった。アプリケーションの起動時などでちょっとストレスを感じる場面もあるが、体感上のパフォーマンスはベンチ結果よりもはるかに良好である。また、通常のエミュレータでは実クロックの1/5程度のパフォーマンスが得られればよいほうだということを考えれば、CrusoeのアーキテクチャとCMSは非常に優秀だといえよう。
バッテリランダウンテストの結果は、600MHz動作時で1時間23分、300MHz動作時で1時間49分となった。液晶のバックライトを搭載しないPCG-C2GPSでさえ1時間14分という結果を考えると、Crusoeによるバッテリ駆動時間の伸びは驚異的だ。しかも編集部のバッテリランダウンテストでは省電力機能はすべてオフにして計測しているため、PowerPanelを利用してHDDのスタンバイや液晶パネルの輝度などをより詳細に調節すれば、さらにバッテリ駆動時間を延長できる。C1シリーズ最大のウィークポイントも解消され、C1VJは以前のC1シリーズにも増してミニノートPC市場を席巻することは間違いないだろう。
実売価格はC1VJが20万円前後、PCカード接続のCD-ROMドライブが付属するOffice 2000プリインストールモデルのPCG-C1JV/BPが20万円台前半。
CPU | Crusoe TM5600-600MHz |
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メモリ | 128MB |
液晶 | 8.9インチウルトラワイドTFT |
解像度 | 1024×480ドット/フルカラー |
HDD | 12GB |
CD-ROM | オプション |
通信 | モデム |
サイズ | 248(W)×152(D)×27~29(H)mm |
重量 | 約980g |
OS | Windows Millennium Edition |
Officeアプリ | - |