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PC-XJ800R

PC-XJ800R

2001年03月02日 23時40分更新

文● 佐久間

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14.1インチSXGA+の高解像度液晶を幅広いユーザーに!

 SXGA+表示可能なモデルは、メビウスノートではハイエンドの15インチ液晶搭載「PC-RJ970R」(オープンプライス/実売35万円前後)のみだったので、14.1インチとサイズは一回り小さくなるもののXJ800Rの実売27万円はかなり買い得感が高い。個人ユーザーにSXGA+の高解像度表示は贅沢では? と思われるかもしれないが、使ってみればその便利さにはすぐ納得できる。たしかに14.1インチというのはアイコンやタイトル(文字)が小さく感じるものの、ワープロや表計算ソフト(XJ800RにはOffice 2000 Personalがプリインストール)、Webブラウザなどを複数使っているとすこぶる便利だ。また、辞書ソフトやメーラなどのユーティリティソフトも一度起動したら(いちいち最小化せず)常時開いておきたくなる。“ものぐさになる”というと聞こえは悪いが、そういう操作も許してくれる広さが嬉しい。

ワンダーピクス液晶
開口率を高めた「ワンダーピクス液晶」を搭載。もちろん、画面の映り込みを抑えて黒が引き締まって見える低反射ブラックTFTと同等の加工もされている。また、Fn+F6/F7で輝度を調整すると、液晶の左上に画面のようなインジケータが表示される。

 ところで、同日発表のノートのうち、XJ800Rのみが「ワンダーピクス液晶」(ほかの2機種は低反射ブラックTFT、RJ970Rはワンダーピクス液晶)を採用する。このワンダーピクス液晶とは、低反射ブラックTFTと同様にパネル表面に環境光の反射(映り込み)を抑制する保護膜を貼り付け、さらにRGB各色を発光するピクセルの開口率を高めてより精細な表示を可能にしたものにシャープが名づけたブランドだ。具体的には100ppi(Pixel per Inch)以上のものをワンダーピクス液晶と呼び、XJ800Rに採用されたパネルは124ppiを誇る。開口率を上げるメリットは明るさ(輝度)が増すことと思われがちだが、同時にバックライトの光量を下げても従来の液晶パネルと同等の明るさで見える=バックライトの低消費電力化が図れるというメリットもある。本機では公称3時間のバッテリ駆動が可能とのこと。実際、編集部でASCII Lab.製バッテリテストを行ったところ、SpeedStep機能あり(550MHz動作)で2時間27分、SpeedStepなし(700MHz動作)で2時間1分の連続動作を確認した(今回編集部に届いたのは試作品だったため、あくまで参考値として見てほしい)。編集部でのテスト内容は、Word/Excel 2000を連続して動作させつづけるもので、一般的なバッテリテストに較べて条件が厳しいのだが、標準バッテリで2時間超の連続動作というのはA4ノートとしてはかなり優秀だ。

 そのほかのスペックは、CPUにSpeedStep対応Mobile PentiumIII-700MHz(SpeedStepを有効にすると、バッテリ駆動時は550MHzになる)、チップセットには440ZXを採用。8MBのビデオメモリを統合したATI製ビデオチップ「RAGE Mobility-M1」を採用し、外部モニタとの2画面同時表示が可能。SO-DIMM×1の拡張メモリスロットは底面(小型ネジ2本を外す)にあるが、標準でSDRAM128MBを搭載しているので、一般的なビジネスアプリやWebブラウザ、メーラなどを使う限りは増設の必要はないだろう。HDDは20GBで、初期状態で15GB程度の空きがある。
 ソフトは、OSにWindows Millennium Edition、ビジネスソフトにOffice 2000 Personal(SR-1)、CDライティングソフトとして「Easy CD Creator 4スタンダード版」とパケットライトソフト「DirectCD」などがプリインストールされている。IEEE1394端子を使ってDV機器から動画を取り込み編集するための「MegaVI DV」、デジタルカメラで撮影した画像を管理、編集する「デジカメNinja2 for SHARP」など、マルチメディア系ソフトも充実しており、この点でもホームユースをしっかり視野に入れたモデルだ。ただし、本モデルでは音声認識機能(IBMのViaVoice)を組み合わせた操作ナビゲーションソフト「パソコンナビ2001-リッキーくん-」は載らず、キーボードからのテキスト入力で検索する「パソコンナビ2000」がプリインストールされている。

 20万円前後の低価格なオールインワンノートは、1台目のPCとして良い選択だが、買い替えなどである程度PCを使いこなせるユーザーには、SXGA+の高解像度液晶やCD-RWドライブ内蔵で33.3mm/2.6kgの可搬性など、XJ800Rの付加価値を、店頭などでぜひ確認してみてほしい。



キーボード全体
キーピッチは19mm、ストロークは約3mm。ほとんどのキートップが等幅なので、かなりタイプしやすい。キーボード手前には小型スピーカ(ステレオ)を搭載している。
ワンダーピクス液晶
内蔵バッテリは14.8V、3600mAhタイプ。底面の右脇にはシロッコファンが設置され、CPUからの熱を側面のスリットに排出している。動作中は「ヒューン」と低い風切り音が聞こえる。
PC-XJ800Rの主なスペック
CPU Mobile PentiumIII-700MHz
メモリ 128MB
液晶 14.1インチTFT
解像度 1400×1050ドット/フルカラー
HDD 20GB
CD-RW R8倍速/RW4倍速/CD24倍速
通信 モデム&LAN
OS Windows Millennium Edition
サイズ 309(W)×252(D)×33.3(H)mm
重量 約2.6kg
OS Windows Millennium Edition
Officeアプリ Office 2000 Personal(SR-1)

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