高度なロールオーバー効果を簡単操作で実現できる
今回の機能強化で特に注目すべきポイントは、「複数の階層を持つポップアップメニューへの対応」「ドロップ&ドラッグロールオーバーの追加」だろう。
ポップアップメニューとはこのようなもの。このサンプルではトリガーとなるイメージから、サブメニューを表示している。 |
まず最初の、複数の階層を持つポップアップメニューとは、ある項目にマウスポインタを載せると、自動的にその下位の項目がポップアップ表示されるメニューを指している。Webサイトのナビゲーションによく使われる手法だが、Fireworks 4を使えば、この階層式ポップアップメニューをJavaScriptの知識がなくとも作成可能となる。
ポップアップメニューの作成はごく簡単で、メニューを展開したいオブジェクト(ホットスポットもしくはスライス)を選択した上で「ポップアップメニュー」ダイアログを開き、このダイアログにサブメニューを書き込むだけ。すると、Fireworks 4が自動的にスクリプトを生成する。ポップアップメニューのあるWebページを作成してみたい人にとっては、まさにうってつけの機能だ。
ポップアップメニューダイアログでは、サブメニューの名前と階層、リンクを設定可能だ。 |
ドラッグ&ドロップロールオーバーはこのようなイメージになる。画面はトリガーのスライスからターゲットのスライスにちょうどマウスポインタを乗せている(ドラッグしてきている)ところで、トリガーとなるスライスとの間にはロールオーバーの付加を表すキューが表示されている。 |
続くドラッグ&ドロップロールオーバーは、ワークエリアに対するロールオーバー効果を付加する際、ドラッグ&ドロップ操作のみで行える新しい方法だ。たとえば、Webイメージのある領域をマウスポインタが通過した際に画面上の別の領域が入れ替わる、という効果を付加する場合、ドラッグ&ドロップロールオーバーを使うとトリガーとなるスライス(もしくはホットスポット)をドラッグし、入れ替えたいスライスにドロップするだけで関連付けが行われる。従来のバージョン同様の表現を実現しようとすると、JavaScriptの動作を設定する「ビヘイビアインスペクタ」を使わなければならないのだが、JavaScriptの知識が要求されるため初心者ユーザーには少々敷居が高く、やや敬遠される傾向があった。その点、今回追加されたドラッグ&ドロップロールオーバーならごく簡単にロールオーバーを設定でき、より多くの人が上記のような効果を作成できる。イメージの一部入れ替えなどはWebページでよく見かける手法で、それを誰でも手軽に実現できるようになった点は高く評価すべきだろう。
ドラッグ&ドロップロールオーバーその2。実際にはターゲットとなるスライスでマウスボタンを離したあと、当たり前ではあるが入れ替えるイメージを指定しなければならない。入れ替えるイメージの指定はフレームで行う。 |
ほかにも、1枚のJPEG画像で部分的に圧縮設定を変更できるようになったり、複数のフレームを活用してオブジェクトにアニメーション効果を付加する「ライブアニメーション」機能で拡大縮小・回転・透明度・フレーム数といったアニメーションに必要な要素を属性で管理できるようになるなど、さまざまな部分が強化されている。
価格は前バージョンと同じく1万6000円。Fireworksのユーザーであれば、1万円でアップグレードが可能だ。Webページのデザインに関する大抵の作業をこれ1本でフォローできる上に、インターフェイスが易しくなっていることも考えれば、新規ユーザーにとってのコストパフォーマンスは非常に高い。従来からFireworksを使用している人の中にはインターフェイスの変更を気にする人もいるかもしれないが、FireworksはもともとマクロメディアのほかのWebパブリッシングソフトと親和性が高くインターフェイスも似ているため、とまどうことはまずないだろう。Webグラフィックスの生産性を重視するデザイナーから趣味でWebページを作成してみたい人まで、幅広いユーザー層にお勧めできるツールだ。
製品名 | Macromedia Fireworks 4.0 日本語版 |
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価格 | 1万6000円 |
発売元 | マクロメディア(株) |
連絡先 | 03-5563-1980 |
URL | http://www.macromedia.co.jp/ |
対応OS | Windows 98/Me/NT 4.0/2000、Mac OS 8.6/9.0日本語版 |