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【OOW2000 Vol.2】オープニングセッションは「どうすればE-Businessで10億ドル経費削減できるか」

2000年12月14日 15時36分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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日本オラクル(株)が開催しているプライベートショー“Oracle OpenWorld 2000”のオープニングセッションは、東京ドームシティ内のプリズムホールで行なわれた。

セッションでは、日本オラクル代表取締役社長の新宅正明氏が冒頭に挨拶した後、米オラクル社ワールドワイドマーケティング総責任者兼チーフマーケティングオフィサーのMark Jarvis(マーク・ジャービス)氏が、E-Businessにより10億ドル(約1126億円)の経費削減を実現したオラクル自身を例に挙げ、どうすればE-Businessで成功できるかを語った。

オープニングセッションの冒頭に挨拶に立った新宅社長。「e-businessは“E-Business”へとラージに変化した。われわれはE-Business全体をカバーする製品/サービスを提供する。オラクルはバックオフィスの再構築により10億ドルのセービングを実行した。次の目標は企業価値を最大にすることだ」

Jarvis氏は、10億ドルの経費削減について具体的に紹介した。「当社の会長兼CEOであるラリー・エリソンが1年半前“1年間で10億ドルの経費削減を行なう”という目標を掲げ、われわれはそれを実現した。それはつまりオラクルがE-Businessカンパニーになるということ。従来型のビジネスでは大企業が中小企業を負かしていたが、E-Businessでは速い企業が遅い企業を負かす。速さが重要であり、速さを実現するには企業全体の効率を上げなければならない。E-Businessの“E”は効率(efficiency)のEだ」

米オラクル社ワールドワイドマーケティング総責任者兼チーフマーケティングオフィサーのMark Jarvis氏

「10億ドルを節約するには、継続的に売上を上げる一方で経費を下げていく必要があった。効率のよいE-Businessカンパニーになるため、われわれは“テクノロジーの進化”、“構造の改革”、“プロセスの進化”、“文化の発展”という4つの変革を実現した」

テクノロジーの進化

「われわれは'95年に、ウェブブラウザー上で動作するインターネット対応ソフトだけを開発するという重要な決断を下した。これに伴い、社内システムにもインターネット技術を採用し、これまでさまざまなデスクトップPCに存在していた社内データやアプリケーションをデータセンターに移行した。ビジネスに必要なデータをデータセンターに移行したことで、効率が上がり、PC管理も容易になって節約もできた。

「ところが、データを移行したことで、それぞれのデータの集約も必要となった。2年前、ラリーが人事部部長に、オラクルの全世界の総社員数を聞いたところ、人事システムは当初各国に個別に存在していたため、人事部長は米国の社員数しかわからなかった。また、会計システムも国ごとに個別にあったため、全世界のリアルタイムでの売上もわからなかった。ラリーは、こういったシステム全てを1つのデータベースに集約、また世界各国に43個あったデータセンターも集約した。例えば、電子メールシステムは現在カリフォルニアに1つあり、世界各国のオラクル社員のメールはそのシステムを通じて送受信されている。現在、主要なデータセンターはサンフランシスコにある。ただし地震など災害の心配があるためコロラドにも存在している」

プロセスの進化

「業務プロセスにおいては、まずセルフサービスによる顧客サポートを実現した。電話応対による顧客サポートを行なうとコストが352ドルかかっていた。セルフサポートは、顧客がトラブルをインターネットのウェブブラウザーで入力し、その内容をシステム側で判断、対応するというもので、これによりコストが10ドルになった」

「また、社員にもセルフサービス機能を提供した。出張の予約や人材採用、休暇届申請などをすべてインターネット経由で行なえるようになった。経費精算処理は10ドルのコストで3日以内に完了する。この10ドルは税務署が紙の受領書を要求するため、必要となる費用(受領書代)であり、これがなかったら10セントで済む」

「サプライヤーから物品を購入する際も、グローバルな取引を行ない、サプライヤーの競争意識を高めている。例えば、コンピューターを購入する場合、コンパックやデル、IBMなどメーカー各社に入札してもらい、最も安く納期のはやい会社を選んでいる。また、グローバル契約で交渉し、割引率を上げてもらう。先日もコンピューター8000台を購入したが、これらは一気に納入するのではなく、オラクルのある支社に社員が新しく入ったときなどにメーカーに電子メールで通知し、3日以内に1台納品してもらうという仕組みを取っている」

構造の改革と文化の発展

「営業やマーケティングなどもこれまでは各国で独立して行なっていたが、それぞれの組織を統一した。業務をグローバル化したことで業務効率が上がった」

「インターネットは国を意識しない。われわれはグローバルな考え方を持つ必要がある。3年前、オラクルは“世界最悪のウェブサイト大賞”を受賞した。なぜか。英国オラクルサイトは“Oracle”のロゴが赤ではなく青色だった。これはラリーに黙って変えていたのだ。一方フランスのオラクルサイトは、ロゴは赤だったがロゴのバックに大きな三角が付いていた。フランスは三角好きだから。チェコスロバキアのサイトはロゴさえなかった。ロゴなどどうでもいいという考えだったようだ。国ごとに文化の違いはあるだろうが、グローバルなブランドを持つことが重要であり、一貫した形で行動する必要がある」

今後はE-Businessで20億円を削減

「インターネットは単なるメディアだという誤った考えを持つ企業があるが、インターネットこそがビジネスなのだ。そう考えればインターネットの活用の仕方がこれまでと大きく変わる。まずウェブから考えるべきだ。そして“インターネット時間”で物事を考える必要がある。インターネットでは“NOW(いま)”しかない。情報の価値は時間が経つごとに低くなる。われわれはインターネット時間に対応するためマーケティングや販売方法も変えた」

オラクルは、これらの変革により、ITの集約化で2億ドル、顧客セルフサポートで5億5000万ドル、サプライヤー対応で1億5000万ドル、社内システムの効率化で1億ドル、合計10億ドルの経費削減をE-Businessで実現したという。同社は今後の経費削減目標を20億ドル(約2252億円:IT集約化で2億5000万ドル、顧客サポートで14億5000万ドル、サプライヤー対応で2億ドル、社内で1億ドル)としている。

同氏は、「E-Businessを利用することで企業ビジネスを効率化できる。われわれはその手伝いをしたい。E-Businessカンパニーになるということは、経費を使うのではなく、経費を削減すること。競合他社よりはやくE-Businessカンパニーにならなければ勝ち残れないだろう」と締めくくった。

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