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日本IBMとマイクロソフト、中古PCを非営利団体に寄贈する社会貢献を実施

2000年12月11日 22時39分更新

文● 編集部 佐々木千之

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日本アイ・ビー・エム(株)とマイクロソフト(株)は11日、企業や団体から提供された中古パソコンを再生して非営利団体に寄贈する“リユースPC寄贈支援プログラム”を共同で実施すると発表した。このプログラムはビジネスとしてではなく、両社が行なう社会貢献の1つとして位置づけられる。

リユースPC寄贈支援プログラムは、各地域の企業や団体からプログラムに対して提供された中古パソコンの再生を、それぞれの地域の企業や団体へ依頼し、その再生に必要な資金や技術を日本IBM、OSをマイクロソフトが提供するというもの。そうして再生された中古パソコンは、それら地域の学校をはじめとする福祉・教育施設といった非営利団体に寄贈する。中古パソコンの提供受付や再生作業の委託、寄贈といったプログラムの運営は、1月に設立される予定のNPO(Non Profit Organization)法人“eエルダー”(※1)が、両社からの業務委託を受ける形で行なう。初年度1000台の中古パソコンの寄贈を予定しているという。

※1 eエルダーは、2000年7月に日本IBMの定年退職者を中心に設立されたグループ(東京都渋谷区。五月女喜二代表)。社会福祉および教育分野の団体、個人に対して情報システムに関する研修、相談、開発、構築などを非営利活動として行なっている。2001年1月にNPO法人の認証を取得する予定。

堀田一芙常務取締役日本IBM常務取締役、パーソナル・システム事業部長の堀田一芙氏

日本IBM常務取締役、パーソナル・システム事業部長の堀田一芙氏は「IBMはこれまで26年に渡って社会貢献プログラムを実施してきた。今回のプログラムは環境配慮の観点などから注目が高まっている中古PCの有効利用において、1つの解決策になると考えている」と述べた。堀田氏はこのプログラムの適用例として、北海道美唄において予定されている工業高校から小学校への寄贈と、沖縄県でスーパーを展開する(株)サンエーが非営利団体へ寄贈するという2例を紹介した。地方中心に行なわれることに関しては、「インターネットには地域格差はないはずだったが、実際には都市中心の動きが見られる。当面は地方で展開していきたい。中古PCを寄贈する側にもある程度の負担はあるわけで、“地域への貢献のため”というわかりやすい理由のほうが、どこかまったく関係のない地域で利用されるということよりも動機になりやすい。また、その地域で再生することで各地域社会の活性化にもつながるはず」と、地域単位での実施にこだわる姿勢を見せた。

阿多親市代表取締役社長マイクロソフト代表取締役社長の阿多親市氏

また、マイクロソフトの阿多親市代表取締役社長は「当社も世界的に“Microsoft Giving”という社会貢献プログラムを68ヵ国において行なっている。今回のプログラムはMicrosoft Givingの“必要な資源があれば、誰でも新しい可能性を発見できる”という理念に合致しており、デジタルデバイドの解消にも貢献できると考えている。また詳細はここでは証せないが、IBMとは視力障害者のためのソフトウェア・ハードウェアの開発も協力して行なっている」と述べ、両社の社会貢献分野でのパートナーシップ活動の1つの形とした。

リユースPC寄贈支援プログラム
リユースPC寄贈支援プログラムの概念図。寄贈を想定しているパソコンはPentium-133~166MHzクラスのもので、メモリーの増設やソフトウェアも個別に対応するという

中古パソコンを廃棄せず利用しようという動きは、中古パソコン販売業者や個人間のもののほかにも、いくつかの団体によって行なわれてきたが、パソコンのハードウェア能力不足などから、実際にうまく活用されているところは少ないようだ。今回のプログラムにおいては、日本IBMはきちんと利用できるようメモリーの追加なども臨機応変に行なうとしているほか、マイクロソフトも旧バージョンのものも含めて提供するとしており、従来よりも一歩踏み込んだものとなる。今回両社が年間1000台と限定されているとはいえ、ある程度まとまった数のパソコンを還流させる仕組みを作ったことは、直接的な社会貢献ということだけでなく、他の企業にもこうした動きを促す効果があると考えられる。いままでにありそうでなかったユニークな活動として今後の広まりが注目される。

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