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IEEEが、“ISSCC2001”の概要を発表──NTTドコモの榎取締役が基調講演

2000年11月06日 22時13分更新

文● 編集部 佐々木千之

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米IEEE(※1)のISSCC(IEEE International Solid-State Circuit Conference:国際固体回路会議)委員会は6日、都内のホテルで記者発表会を開き、2001年2月に米カリフォルニア州サンフランシスコで開催される“ISSCC2001”の概要を明らかにした。

※1 IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers:電気電子工学会)世界130ヵ国に32万人以上の会員を持つ、電気・電子関係で最大の学会。分野ごとに独立した下部組織がある。

ISSCCはIEEEの下部組織であるSSCS(Solid-State Circuit Society:固体回路分科会)が主催し、毎年開催されている国際会議。2001年2月のISSCC2001で48回目を迎える、半導体集積回路技術関連ではもっとも権威のある国際会議。半導体集積化電子回路技術、システム集積化技術に関して、学会員から最先端の研究成果が発表され、この分野の技術者にとって、技術レベルの維持向上と先端専門技術者との交流機会を与える場としている。

ISSCCエグゼクティブ委員長のジョン・トリンカ(John Trnka)氏

'99年のISSCC1999では、ソニー・コンピュータエンタテインメント(株)と(株)東芝がPlayStation2用プロセッサーを披露(発表時にはPlayStation2向けとは明らかにされなかった)、今年2月に行なわれたISSCC2000では、米インテル社が1GHz動作のPentium IIIを発表するなど、近年はプロセッサーがらみの発表で注目されているが、ISSCCで発表されるのはプロセッサーだけにとどまらない。

基調講演にNTTドコモの榎取締役やインテルのゲルシンガー副社長

記者発表会で説明した、ISSCCファーイーストプログラム委員長の渡辺久恒氏(ISSCC委員会は、米国、ヨーロッパ、極東の3つの地域に分かれてとりまとめを行なっている)によると、ISSCC2001は“インターネット時代”をテーマとして開催され、参加者は3500人以上が見込まれる。そのうち米国外からの参加者は900人以上で、今年2月のISSCC2000(テーマは“System-on-a-Chip”)と同程度と予想されている。ISSCC2001での発表論文審査は10月までに終了し、基調講演で発表されるもの3件のほか、166件の論文が採択され発表される予定。

ISSCCファーイーストプログラム委員長の渡辺久恒氏

基調講演ではまず、(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモでi-モードプロジェクトを取り仕切った榎啓一取締役が“i-mode:21st Century Mobile Internet”というテーマで、日本でのi-modeの現状と将来について発表する。次に、仏アルカテルマイクロエレクトロニクス社のレオン・クローテンス(Leon Cloetens)副社長が“Broadband Access:The Last Mile”として、高速のネットワークが普及しつつあるが、家庭へつながる“最後の1マイル”はどのような技術が有望かを、主要な技術候補であるxDSL(Digital Subscriber Line)、WLL&LMDS(Wireless in the Local Loop & Local Multi-point Distribution System。例:CATVインターネット)、PON(Point-to-Multipoint Optical Network。光ファイバー)から論じる。3人目は米インテル社のパトリック・ゲルシンガー(Patrick Gelsinger)副社長が登場し、“Microprocessors for The New Millennium -Challenges,Opportunities and New Frontiers”として、マイクロプロセッサーの過去30年の進歩と、今後の発展、進化について発表するとしている。

キーワードは“Gの時代”と“システム・オン・チップ”

ISSCCで発表される論文は、アナログ、デジタル、イメージャー/ディスプレー&MEMS(Micro Electron Mechanical System:いわゆるマイクロマシン)、メモリー、信号処理、無線通信、有線通信と、それらに含まれないテクノロジーの8つのカテゴリーに分かれている。ISSCC2001で発表される技術の、総括したトピックスとしては“G(ギガ)の時代”と“システム・オン・チップ”があるという。Gの時代ということでは、1)初めて毎秒1GS(ギガ・サンプリング)を超えるCMOSのA/Dコンバーター、2)初めて毎秒1Gピクセルのデータ読み出しが可能なCMOSイメージャー、3)初の1Gbitフラッシュメモリー、4)初の4Gbit DRAM、5)動作クロック1GHz超のプロセッサーが5つ、発表されるという。システム・オン・チップということでは、1)初の1チップのセットトップボックスLSI、2)初の1チップのBluetoothLSI、3)DRAM混載型マルチメディアLSI、4)3次元の回路集積技術、が上げられるとしている。

そのほか、各カテゴリーからの注目論文テーマが紹介された。そのなかからいくつかを紹介する。アナログ分野では6bitの毎秒1GS台のサンプリング速度をもつCMOSA/Dコンバーターが米カリフォルニア州立大学(UCLA)とオランダのフィリップス社から発表される。デジタル分野ではIBM社のPower4プロセッサー-1.1GHz、同じくIBM社の64bit S/390プロセッサー-1.1GHz、コンパックコンピュータ社のアルファープロセッサー(EV7)-1.2GHz、インテルのIA-32プロセッサー用4GHzの整数演算ユニット。このほかにインテルがIA-64-1.2GHzの発表を予定していたが、キャンセルされたという。イメージャー分野では、毎秒1万フレームの転送速度を持つCMOSイメージセンサーが米スタンフォード大学から発表。

メモリー分野では、0.10μmプロセスによる4Gbit DDR SDRAMが韓国のサムスン電子社から発表される。信号処理分野では、DRAM混載型で消費電力が90mWのMPEG-4ビデオコーデックLSIが松下電器産業(株)から発表される。無線通信分野ではBluetooth用の完全1チップのSystem-on-a-chip製品についてアルカテル社から発表。有線通信では現在の100BASE-TXで使われる、カテゴリー5のケーブルを使って、Gbit Ethernetの通信を可能にするCMOSトランシーバー製品がMarvell Semiconductor社から発表される。テクノロジー分野では細胞内で細胞を制御する生化学的集積回路を、米Cellicon Biotechnologies社が、また、シリコンの表面に圧力をかけると動作速度が高速化されるという原理を使った、ひずみSi表面チャネル型MOSFETがIBMから発表される。

日本の発表論文数は米国の86件に次ぐ31件

採択された(発表される)論文数を地域別に見ると、アメリカが89件と54パーセントを占め、ついでファーイーストが43件(26パーセント)、ヨーロッパが34件(20パーセント)となっている。メモリー関連の論文が減少した影響で、ファーイースト地域からの論文数は減った(前回は50件/28パーセント)が、メモリー以外に通信デバイスやマルチメディアプロセッサー関連の論文が増えてきたとしている。なお、国別に上位を見ると、米国86件、日本31件、ベルギー8件、ドイツ、韓国、オランダが各7件などとなっている。

ISSCC2001は、2001年2月4日から8日(米国時間)までの5日間、米カリフォルニア州サンフランシスコのマリオットホテルで開催される予定。

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