マイクログラフィックス(株)は25日、記者会見を開催し、企業向けの業務プロセスを改善する『iGrafx』(アイグラフィックス)シリーズ2製品の日本語版を、6月1日に発売すると発表した。製品ラインナップは、企業内のフローチャートや業務プロセスなどをビジュアル化できるソフト『iGrafx
Professional』と、同ソフトの機能に業務プロセスの解析やシミュレーション機能などを付加した『iGrafx
Process』となる。
『iGrafx』シリーズは同社の米本社が開発したソフトウェア製品群。ワークフローなどビジネスプロセスの効率化などをサポートするソフトと、製造業向けの製品画像作成ソフト、CAD/CAM向けのソフトと、大別して3タイプの製品で構成される。
今回発表した『iGrafx Professional』と『iGrafx Process』は、いずれも企業ユーザー、とくに物流や製造業を対象としてビジネスプロセスの効率化をサポートするソフトウェアとなる。マイクロソフト(株)のOfficeシリーズとデータ互換機能を持ち、OLE(*)機能をサポートする。また、Visual
Basic for Application 6.0をサポートする。
『iGrafx Professional』
このソフトは、企業内の組織図や、ワークフローなど、ビジネスダイアグラムを作成できるソフトウェア。あらかじめ四角やひし形などの図形が用意されているので、グラフィックスソフトと同様の操作感覚でワークフロー図などが容易に作成できるという。『iGrafx Professional』で作成した図の一例 |
また、マイクロソフト(株)のOffice製品群との連携も可能で、たとえば、『iGrafx
Professional』で作成した顧客情報の入力フォームをOutlook Expressと連携させて、入力したデータを指定したアドレスに自動的に送信したり、項目別にExcelやAccessなどにデータとして自動入力するように設定することも可能。
作成したグラフィックスをHTML化する機能も搭載しており、イントラネットなどでの公開をサポートする。対応OSはWindows
95/98/NT4.0で、価格は8万8000円。
『iGrafx Process』
『iGrafx Process』は、『iGrafx Professional』の全機能に加えて、シミュレーション機能を搭載する。これは、『iGrafx
Professional』で作成したワークフローを構成する要素が変化した場合のビジネスへの影響をシミュレートできるというもの。図は、作成したワークフローをシミュレートした際の結果がレポートされたところ |
これにより、たとえば流通業などで、商品の流通経路を変更したらどのような影響が出るか、などを実際に変更を行なう前にチェックできるという。対応OSは、Windows
95/98/NT4.0で、価格は29万8000円となる。
Dennis W.Howard氏 |
米マイクログラフィックス社アジア事業開発事業部ディレクターのDennis
W.Howard(デニス・ハワード)氏は、
「日本の市場には潜在購買力があると考えている。これを刺激してユーザー拡大につなげたい」と語る。
若松勉社長 |
マイクログラフィックスの若松勉社長は、「企業ユーザーに最適なシステムを提供できるように、コンサルティング会社などと提携して売りこんでいく。また、導入事例を紹介するセミナーなども開催する予定だ。日本法人としては、4年後に年間25億円の売り上げ達成を目指す」とコメントした。
米マイクログラフィックス社はこれまで、Windows用のグラフィックスソフト『MICROGRAFX
WINDOWS DRAW』シリーズなどを主力製品としてコンシューマーユーザーをターゲットに製品を展開してきた。しかし、98年9月に方針を転換し、コンシューマー向けから企業向けへとシフト。これにともない日本法人も、企業向けの製品を発売する準備を進めていた。今回発表した製品は日本法人としては初めての企業向け製品となる。同社は今後も企業向けソフトウェアに専念するが、これまで販売したコンシューマー向けソフトウェアについては、継続してサポートを行なうという。
注1)OLE:Object Linking and Embeddingの略。オブジェクトの連結と埋め込み。たとえばワープロソフトに表計算ソフトで作成した表を挿入する場合、挿入した表を選択すると表計算ソフトが自動的に立ち上がり、表の変更が行なえる。そして、そこで行なった変更結果が、ワープロで作成中の表にも反映される。Windowsでは、3.1以降のバージョンでサポートされている。