日本シリコングラフィックス(株)は、米シリコングラフィックス(以下SGI)社CEOリチャード・ベルーゾ(Richard
E. Belluzo )氏の記者会見を開催した。これは、恵比寿ガーデンプレイスを会場に10日まで開催されている“SGI
Visual Revolution'99”の会場で行なわれたもので、同社のワールドワイドの新事業戦略と最新動向がテーマ。ベルーゾ氏のほか、上席副社長のキース・ワトソン(Keith
Watson)氏、日本SGI代表取締役社長和泉法夫氏による会見が行なわれた。
東芝にビジュアルワークステーションをOEM供給
日本シリコングラフィックス(株)代表取締役社長和泉法夫氏 |
記者会見の冒頭、日本シリコングラフィックス(株)代表取締役社長和泉法夫氏が挨拶。日本SGIが1月に発表したビジュアルワークステーション『Silicon
Graphics 320/540』に関し、(株)東芝にOEM供給に関する業務提携を行なったことを発表した。「今後は東芝とSGIのダブルブランドの製品として市場に提供する」と述べた。
ビジュアルワークステーションの出荷状況に関しては、「先週ビジュアルワークステーションの出荷が始まりました。日本が先行予約をしたので、今月中には多くのお客様の手に届くことでしょう。今年度のワークステーションのシェアには、今回出荷されたビジュアルワークスレーションの台数だけでもかなり上位にランクインする見込みです。今年末を待たずに、この分野のシェアナンバーワンになると確信しています」と力強く語った。
3つの分野をベースに
米SGI CEOリチャード・ベルーゾ氏 |
ベルーゾ氏は今後のSGIの進路は、以下に挙げる3つの分野をベースにしているとし紹介した。
・“ビジュアルコンピューティング(Visual Computing)”---ビジュアルの技術を大規模サーバーからデスクトップマシンまで拡張して提供する
・“ビジュアルにスケーラビリティを与えるシステム(Scalable Systems)とストレージ”---新しいアプリケーションの管理・運用を可能にする
・“ソフトウェアとサービス”---企業が、高性能のコンピューターとビジュアルコンピューティングを1つに収束し、新しい情報や洞察力(Insight)を生み出すようにサポートする
「これらによって開発されるアプリケーションは、医療、化学産業、遠隔学習、財務管理など挙げたらきりがないでしょう。これらのビジョン・技術を持って、より幅広い市場において、より低価格で提供します」と述べた。
続いて、IA32サーバーや、LinuxやMacintoshプラットフォームへのOpen
GLの公開、米WAM!NET社や東芝との提携などを紹介、「これらの事例はすべて、ビジュアル分野にSIGの技術を幅広く普及するための努力であります。このことにより、SGIは新しい市場とビジネスチャンスを獲得したいと思っています」と結んだ。
高性能サーバーの戦略
キース・ワトソン氏 |
最後に、キース・ワトソン(Keith Watson)氏がSGIの製品戦略について述べた。特にCPUとサーバーに関しては、「MIPS
CPUのスケーラビリティをさらに拡張して、R16000-600/800MHzに仕上げます。そしてIRIXオペレーティングシステムの拡張を提供し、256CPU対応、512のプロセッサー対応のスケーラビリティーを提供したい。新しいCPUと次世代アーキテクチャーとして注目されるcc-NUMAを組み合わせることにより、高性能のサーバーを開発し、テクニカルマーケットにおいてリーダーシップを取りたい」と語った。ローエンドサーバーに関しては、オープンシステム戦略を採用し、市場を開拓したいと述べた。
以下、記者会見において報道陣からベルーザ氏に以下のような質問が寄せられた。
--Intel IA32ベースのマシンは99年会計年度に発表されるか
「Intel IA32のサーバーについてはいつ投入するという発表はしていませんが来年内(12ヵ月以内)にと考えております。
---DOS/V機の分野に参入する予定あるか
「我々のサーバーは、まずマイクロソフトのエンジンサーバーのソリューションと互換アプリケーション、つぎににLinuxの互換アプリケーションをベースに開発しております。マイクロソフトが新しいソリューションを投入と同時に提供することになります」
---今年度の会計の見通しはどうか
「今会計年度末までには利益を出す立場に戻るでしょう」ビジュアルワークステーションは非常に重要な要素で、今年度後半に伸びが見られると思います」
“SGI Visual Revolution'99”は恵比寿ガーデンプレイスにて11日まで開催。