システムLSIを開発するための設計技術などを紹介する“IP JAPAN'98
spring”(主催は日経BP社、日経エレクロトニクス、日経マイクロデバイス)が、品川プリンスホテルで開幕、27日まで開催される。
まず、米IBM社のマイクロエレクトロニクス・マーケティング・ディレクターのChristine
King女史が“Systems on Silicon Chip Level Integration”と題する基調講演を行なった。この中で、米IBM社が開発したシリコンゲルマニウムを利用したLSIについて説明。シリコンゲルマニウムを使用したLSIは、従来のガリウムヒ素を使用したLSIと同等の性能を持ちながら、製造コストは5分1程度で済むという。そして、無線システム用のLSIは、これまでは、受信、送信、信号の管理を別々のチップで行なうものだったが、シリコンゲルマニウムの使用により、2000年にはこれらの処理がひとつのチップ上で行なえるようになるとの見通しを示した。
また、米LSIロジック社のプロダクト・マーケティング・マネージャーのReynaldo
Archide氏が、同社が開発した、システムLSIに組み込むためのRISCプロセッサー『MiniRISC(ミニリスク)』、『TinyRISC(タイニィリスク)』の紹介を行なった。MiniRISCは、'94年に発売された製品で面積は4.0平方ミリメートル、'97年に発売されたTinyRISCの面積は1.5平方ミリメートルで、プロセッサーの面積が小さくなったぶん、より多くの機能をシステムLSIに盛り込むことができるようになった。MiniRISCは、主にプリンターやOA機器などに使用され、現在はクロック周波数が90MHzの製品が出荷されているが、2000年には400MHzの製品を発売するという。TinyRISCは、携帯電話、セットトップボックスに使用され、現在はクロック周波数が80MHzの製品が出荷されているが、2000年には160MHzの製品を発売するとの見通しを示した。
このほか、オランダのフィリップス・セミコンダクターズ社のTheo
Classen氏の講演や、“特別セッション”としてシステムLSI関連製品を発売しているフェニックス
テクノロジーズ(株)など13社による製品紹介なども行なわれた。
27日には、(株)東芝の斉藤智隆COS開発センターアーキテクチャ第3担当グループ長の“携帯情報端末用システムLSIの開発例”という講演などが行なわれる予定。(報道局 佐藤和彦)
http://www2.nikkeibp.co.jp/IPJapan/SMIP980526.html/