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今、注目されているインターネットデータセンター

2001年02月10日 00時00分更新

文● ASCII network PRO

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ハコモノは任せろ!

 iDCイニシアティブの参加メンバーである熊谷組は、建築物という観点からIDCにビジネスチャンスを見出す企業だ。熊谷組はIDC事業者ではないが、同社のIDC関連の戦略は興味深い。

 熊谷組高木秀宣常務は、「企業がコストをかけずにIDC事業を早期に立ち上げるには、国内にはデータセンターとして使えるビルが不足しているのが現状。熊谷組はFSP(Facility Service Provider)としてビルインフラの整備、提供を進めていくとともに、事業者のファシリティ面をトータルにサポートしていく」という。不動産というIDC事業の土台になる部分のソリューションサービスを展開することで、国内市場のアンテナとして機能し、多くの事業者を積極的に支えたいとする。

 熊谷組が取り組むIDC戦略は、「スピード」をキーワードに3フェーズに分かれる。第1フェーズは、既存の施設(ビルや倉庫)を改修し、「すぐに使えるIDC施設」にすることだ。立地(地盤、複数のメガキャリアの回線敷設状態)、構造(耐震性、電源拡張性)などを踏まえて施設を診断し、適正のあるものを積極的にIDC施設に変えていく。IDC黎明期にある日本においては、外資系を中心に事業立ち上げを「とにかく始める」ことが求められている。このフェーズはそういったIDCのスタートアップ企業に向けたものだ。

 第2フェーズは、都心に1万平方メートル超の大型IDCビルを新規建設することである。今後国内のIDCの需要が増すにつれ、当然既存のIDC事業者はファシリティを拡張することが予想される。第2フェーズはそうした需要を見越した戦略である。具体的には、現在東京大井町に総計8万5000平方メートルのビル群(4棟)をディベロッパーの住友不動産とともに開発中である。IDC用途のスペックをあらかじめ備えるこれらのビルは、複数のIDC事業者が集う一大「IDCタウン」になる可能性がある。完成は2年後の予定だ。

 また、スケールメリットを生かした郊外型の超大型IDC拠点の開発を第3フェーズとして進める。こちらのIDCは、どちらかといえば企業のIT部門のアウトソースとして機能するデータセンターである。コストセンターとして企業の負担になっているIT部門の受け皿となるデータセンターとしてのニーズをにらんでいる。具体的には、東戸塚に10万平方メートルの郊外型データセンターを建設する計画だ。

(お話を伺ったのは熊谷組 高木秀宣常務)

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