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今、注目されているインターネットデータセンター

2001年02月10日 00時00分更新

文● ASCII network PRO

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コネクティビティに徹底的にこだわる!

 米AboveNet Communicationsと丸紅の合弁により設立され、今年6月からサービスを開始したアバヴネットは、コネクティビティを徹底的に追求した回線重視型のIDCである。本文でも紹介したように、アバヴネットのセールスポイントは2つある。1つは(親会社米MNFが持つ)ダークファイバを含めたGbpsクラスのグローバルバックボーン。もう1つは積極的なピアリング戦略による国内網の充実である。

 アバヴネットは現在、750Mbps(STM-1×5)の日米回線、1.1GbpsのIX接続(JPIX、NSPIXP-2)を持ち、アメリカで390、国内で70以上のISPとピアリングしている。都内のデータセンターは820平方メートル(300ラック)と比較的小規模だが、「最高品質のコネクティビティを提供するためには、回線容量に見合った規模でなければならない」(同社森脇完二社長)ためである。年末に日米間を23Gbpsに拡張したら、2002年には1万平方メートル超のセンターを供給する予定である。

 アバヴネットでは、同社のIDC事業を「ISX(Internet Service eXchange)」と呼ぶ。これは、IDCにIXの機能(ISPとの相互接続)が融合したという意味である。ISXが目指すのは「グローバルワンホップ」、つまり世界中のネットワークと最小限のホップ数で接続することである。もちろん、ルーティングが発生する場合でも、同社の独自技術「ASAP(Asymmetric Allocation of Packets)」により時間計測で最も早く到達する経路が選択されるようになっている。

 加えて、ネットワークの負荷率は常に50%未満であることが保証されている(「100%ヘッドルーム」)。従って、一時的にトラフィックが増大してもレスポンスの低下はない。またその場合でも、「95%プライシング」の課金体系により増大分のほとんどはカットされる仕組みになっている。95%プライシングとは、月単位で総計したトラフィック量の上位5%には課金しないというルールである。なお、接続料金は従量制だが、1ラックに1Mbpsの回線料が含まれるため、基本料は他と比べるとやや高めになるとのことだ。

 アバヴネットが提供するサービスはハウジングのみである(サーバの基本運用サービスは含まれる)。これは、コネクティビティを「売る」という戦略によるものである。それ以上のSIサービスなどは、パートナー企業と提携している。このように、アバヴネットは、「Eビジネスの勝ち組がより勝ち残っていくためのIDC」に徹している。「Eビジネスの勝利シナリオを持っている会社なら、小さくても来てほしい。ハードルは高いかもしれないが、勝ち組になる1つの要素は、アバヴネットが確保する」(森脇社長)、アバヴネットはそのようなIDCである。

(お話を伺ったのはアバヴネットジャパン 森脇完二社長)

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