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ロータス ドミノ R5でWebアプリケーションサーバを学ぼう

1999年10月24日 00時00分更新

文● 日刊アスキー

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 CORBA(Common Object Request Broker Architecture)は、ビジネスコンポーネントの作環境であるORB(Object Request Broker)の標準仕様である。

 CORBAは、言語やOSに依存しないコンポーネント間の通信を可能にする。平たくいえば、CORBAに準拠した(CORBAの作法にしたがった)ビジネスコンポーネントさえ作ってしまえば、ほかのCORBA準拠のコンポーネントと通信が可能になるというわけだ。CORBAによって、コンポーネントは、ほかの通信したいコンポーネントがどこにあって、どんな言語で書かれているか、まったく気にしなくてもよくなる。そうなれば、C言語を使う開発者ならばC言語で、Javaを使う開発者ならばJavaでコンポーネントを作成すればいいことになり、システム開発や拡張も容易になるというわけだ。

 CORBAはまた、膨大なリクエストをさばいたり、セキュリティを提供したりといった、ネットワーク上のほかのサーバに対する「通信インフラ」も提供する。

 こうしたCORBAの特徴により、たとえば、サーバA上の、Javaで書かれた「コンポーネント1」が、サーバB上のC++で書かれた「コンポーネント2」と通信する場合でも、同じサーバA上のC言語で書かれた「コンポーネント3」と通信するときも、まったく同じ手段でアクセスするだけで、あとは結果を待っていればいいだけになる。その間通信が切れてしまったらどうする? といった心配や、相手はどこにいるの? と探し回ったりといった作業は不要だ。これらはすべて、CORBAが面倒を見てくれるのである。

ロータス ドミノ R5とCORBA

 ロータス ドミノ R5は、CORBAに対応している。そして、ただ単に対応しているだけではない。ロータス ドミノ R5上のアプリケーションの開発において、そのアプリケーションを簡単にCORBA準拠のコンポーネントとして動かす仕組みを備えているのだ。こうすることによって、極端な言い方だが、

  1. ロータス ドミノ R5でアプリケーションを開発しさえすれば、そのまま分散アプリケーションを構築できてしまう
  2. しかも、ロータス ドミノの開発経験があれば、そのスキルをそのまま活かすことができる

というメリットが出てくる。これにはJavaの功績も大きい。ただ、ここで断っておくと、ロータス ドミノ R5に限らず、CORBAとJavaは切っても切れない縁になっている。Javaは(JVMさえあれば)、どこででも実行できる言語である。このJavaアプレット(ロータス ドミノ R5クライアント)にCORBAコードを記述することにより、WebブラウザをCORBAクライアントとして使用することができるようになる。しかも、こうしたコードの実装を簡単に行なうアプリケーション「ロータス ドミノデザイナーR5」が備わっているのだ。

 こうして、CORBAで提供されているサービスや利点のすべてをロータス ドミノ R5のシステム上で享受することが可能になるわけだ。

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