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ターボリナックス ジャパン社長兼CEO、Cliff Miller氏の講演

1999年09月30日 18時57分更新

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 LinuxWorld Expo/Tokyo'99で、ターボリナックス ジャパン(株) 社長兼CEOのCliff Miller氏が、「IT業界をリードするカギとなるハイパフォーマンスLinuxOS」というテーマで日本語で講演を行なった。

Cliff Miller氏

 まずMiller氏は、Linuxが企業のインフラになっている現状を指摘し、Linuxの利点として「安全性」「セキュリティ」「UNIXと同程度のスケーラビリティ」「コストパフォーマンス」というキーワードを並べた。しかしさらに大きな違いは、Linuxのビジネスモデルだという。「無料のものからどう利益を出すかが問題です」(Miller氏)。利益をあげる例として、「ブランドを売るモデル」、「商用ソフトと組み合わせるモデル」、「サポートを売るモデル」をあげた。また、開発モデルの違いとして、インターネット上での大きな開発コミュニティによって、大規模なソフトウェアを開発できると語った。「もし郵便でフロッピーを送るというような方法だったら、これはなりたたないと思う」(Miller氏)

 次に同氏は、TurboLinux Cluster Serverの説明を行なった。同製品によって、IPベースのクラスタを標準的なハードウェアで構築でき、信頼性などを高めることができる。システム管理ツールも付属するという。

Linuxの欠点とは?

 同氏はまず、Linuxの欠点として、Journaling Filesystem、Fault toleranceがないこと、そして法的な問題をあげた。このうちJournaling FilesystemはSGIやベリタスが移植するかもしれないが、法的な問題については、GPLやArtistic License、NPL、Sun Community Source Licenseのようにライセンスがたくさんでてきて、困っていると語った。「まず、判例がない。この1年で裁判がおこるだろうと私は思っています」(Miller氏)。次に同氏は、ディストリビューション間の標準の必要性をあげた。

Linuxの未来

 Miller氏は、Linuxがより普及していくと当然予測している。デスクトップとしてもっと多くの人に使われるようになり、サーバとしてもさらにハイエンドなほうに入っていくという。

 さらに、新しいビジネスモデルが台頭してくるだろうという。「これからビジネスモデルが、業界の中で自然と出てくるのではないかと思います。面白いことですが、大きな会社は怖がっていますね。いままでのやりかたを根本的に変えていくことになると思います」(Miller氏)

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