思考は伝えてこそ価値がある
思考の中身が本質であり、それを重視する姿勢は今も昔も変わらない。これから必要とされてくるのは、それを伝える工夫の部分だ。いままではそこに重点が置かれず評価されなかった。クリエイティブツールの普及によって表現の幅が広がり、社会もより豊かな表現を求めている。
表現の成否は発信者の意欲に依存する部分が大きい。冒頭で述べたように、現代では莫大な情報をユーザー視点に立って再構築し、伝達の仕方や表現を問題意識を持って見つめなおすことが求められる。これは何もウェブサイトのデザインや、製品のインターフェース、あるいはアートなどに限ったことではない。プレゼンテーションや日常でのコミュニケーションなど、さまざまな場面で重要になってくる。
「同じ内容でも伝え方によって効果が異なってきます。考えることは自分だけでもできますが、伝えるには相手のことを考えなくてはいけません。『いかに分かりやすく、説得力をもたせた形で伝えることができるか』の重要性がアカデミズムでもビジネスでも増しています」
「デジタルツールは表現力や伝達力アップに非常に有効な手段です。それを使いこなせるかどうかが、これからのグローバル競争社会における競争力を左右するコア要素だと思います」
