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世界企業パナソニック 90年目の決断 第7回

日本企業は世界でどう戦うべきか?

「ideas for life」は経営理念の凝縮

2008年11月12日 10時04分更新

文● 大河原克行

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 「Panasonic ideas for life」――。

 テレビCMで、この言葉を頻繁に聞くようになった。

 パナソニックへの社名変更、ブランド統一で、同社商品のすべての訴求が、このブランドスローガンのもとに展開されるようになったからだ。

 もともとideas for lifeは、北米におけるブランドキャンペーンの際に、現地のブランドマーケティンググループが検討し、採用した、いわば北米市場向けのスローガンだった。2002年のことだ。

 これを、2003年5月に実施された海外ブランドのパナソニックへの一本化にあわせて、全世界統一のブランドメッセージとして展開しはじめたのだ。

 かつて、パナソニック米国法人において社長を務めた経験もある中村邦夫会長(当時松下電器産業社長)が、北米市場でこの言葉を使っていることを知り、「経営理念をわかりやすく伝えた言葉」として、全世界統一のタグラインに採用することを決定。まさに、トップの強い意志によって決まったものだった。

 今回の社名変更、ブランド統一においても、ブランドスローガンとして、ideas for lifeを引き続き採用。あらゆる訴求において、このタグラインが活用されることになる。

 では、ideas for lifeとはなにか。

 lifeには、「くらし」、「人生」という意味がある。

パナソニック ブランドマネジメント室・古川啓滋総括部長

 「お客様のくらしに貢献したいという、創業者の経営理念を的確に示した言葉。つまり、lifeには、お客様のくらしのために、という意味が込められている。一方、ideasという言葉には、日本で受けるような『思いつき』というような軽い意味ではなく、語源がギリシャ語のイデアであるように、概念やフィロソフィといった深い意味がある」と語るのは、パナソニック ブランドマネジメント室・古川啓滋総括部長。

 まさに、創業者が語る水道哲学や、所主告辞(第6回を参照)で示されたものと同義であるといえよう。

 「ideas for lifeは、「経営理念が凝縮された言葉」なのである。

次ページ「「ブランドプロミス」を制定」に続く

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