外出先からの接続時間は?
外出先からPCリモーターでホームサーバPCに接続するのに時間がかかるという不満もあるようだ。これは、Luiの接続方法による部分も大きい。
Luiでは、Windows XPやVistaで利用できるリモートデスクトップなどとは違い、サーバー側のマシン名やIPアドレスをあらかじめチェックしておく必要がない。PCリモーターから接続を実行すると、ホームサーバPCに接続を要求するメールが送信される。メールが届くとホームサーバPCの現在のグローバルIPアドレスがPCリモーターにメールで送られ、それをもとに接続が完了するという仕組みだ。
そのため、固定IPでなくてもダイナミックDNSサービスなどを使うことなく、いつでも接続できるというメリットがある。
逆に、そのせいで接続に時間がかかっていたとも言えるのだが、今回のアップグレードでは、こういった処理の最適化や内部処理を見直すことで接続時間の改善が図られている。回線環境にもよるので具体的な数字は明らかにされていないが、従来に比べて30%程度の改善は見込める模様だ。また、宅内LANで使う場合にも、ノートPCでサスペンド状態から復帰するのと同じくらいの感覚で接続できるよう処理効率がアップされているとのことだ。
ターゲットは買い換えユーザーか
11月6日には「VALUESTAR R Luiモデル スリムタワー」の秋冬モデルも発売されている。
VALUESTAR R Luiモデル スリムタワーの主なスペック | |||
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型名 | VR970/RG | VR500/RG | |
実売価格 | 25万5000円前後 | 19万円前後 | |
CPU | Core 2 Quad Q6600(2.40GHz) | Core 2 Duo E4500(2.20GHz) | |
メモリー | 2GB | ||
HDD | 500GB(SATA、7200回転) | ||
光学ドライブ | BD-R | DVDスーパーマルチ | |
グラフィック | NVIDIA GeForce 8400 GS | ||
付属ディスプレー | 19型ワイド液晶(1440×900ドット) | ||
インターフェース | トリプルメモリースロット、USB 2.0×6、IEEE1394、PCカードスロットなど | ||
OS | Windows Vista Home Premium SP1 |
また、購入前に自宅の環境でLuiのPCオンデマンド機能を利用できるかどうかをチェックできる「PCオンデマンド環境チェックプログラム」の配布もスタートしている。ルーターのUPnP対応状況やグローバルIPを取得できているかなどをチェックして購入の不安を解消できる。XPとVistaで利用可能だ。
最近PCを購入したばかりという人には、新たにホームサーバPCとPCリモーターを購入するというのは考えにくいかもしれないが、そろそろPCを買い換えようかなという人ならLuiを選択肢に加えるのもアリかもしれない。PCリモーター(ノートタイプで実売9万円前後、ポケットタイプで5万円前後)の分、通常のPCよりお高くなってしまうのだが……。とはいえ、今回の無償アップグレードが示すとおり、NECでは既存のLuiユーザーに対しても使い勝手の向上は推し進めていくとのこと。今買っても先々の機能アップは期待できるだろう。