仮想化技術で複数のサーバーを統合する場合、仮想サーバーを動かしている物理サーバーの性能いかんで、集積度や仮想サーバーのパフォーマンス自体も変わってくる。IDCの調査によれば、2007年のサーバー市場ではx86サーバーが約800万台導入され、市場の95%を占めていたそうだ。では、最新のx86サーバーに搭載されるプロセッサーとはどんなものなのだろうか? と思っていたら、インテルは9月16日、従来に比べ約50%の性能向上と最大10%の消費電力削減で「最適な仮想化プラットフォームを実現した」という新しいXeonプロセッサー7400番台を発表した。
Xeonプロセッサーの7400番台は、45nm High-kプロセス技術によって製造されたハイエンドサーバー向けの製品だ。最大で6つのプロセッサーコアと16MBの共有L3キャッシュを搭載する。ハイエンド向けということで、データベースサーバーや、ERP(統合業務システム)、BI(ビジネスインテリジェンス)といった大量のデータ処理をともなうアプリケーションの実行といった用途が思い浮かぶが、もちろん仮想化によるサーバー統合も重要な用途のひとつ。仮想化のベンチマークVMmarkでは、VMware ESX Serverバージョン3.5.0を搭載した4ソケット、24コア構成のDell PowerEdge R900が、世界記録18.49を達成したという。「最適な仮想化プラットフォーム」というのも伊達ではないようだ。
また、仮想化をプロセッサーレベルでサポートする「インテル バーチャライゼーションテクノロジー」(インテルVT)も強化され、仮想化環境でプロセッサーに発生する処理のオーバーヘッドを平均25~75%短縮。インテルVT FlexPriorityによって、割り込み処理を改善して仮想化ソフトウェアの効率を最適化できるという。
今回発表された7400番台には、1コア当たりの消費電力を11W以下に抑えたインテル初の6コア65W製品「L7455」(動作周波数は2.13GHz)や、4コアで消費電力が50Wとなる「L7445」(動作周波数は2.13GHz)といった低消費電力性能に優れた製品など、計7製品がラインアップされる(うち、6コアは3、4コアは4)。最大動作周波数をもつのは6コアで2.66GHzの「X7460」(消費電力は130W)だ。
Xeonプロセッサーの7400番台を搭載するサーバーは、9月16日より世界中のシステムベンダーから50を超えるシステム(ラック型やタワー型、ブレード型)が順次発表されるという。たとえば4ソケットブレード型としてはまず、HP、NEC、サン・マイクロシステムズ、イージェネラから登場する予定だ。