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中国各地からの商品が集まる巨大問屋街

Made in Chinaはすべて義烏に集う

2008年09月01日 18時33分更新

文● 山谷剛史(写真とも)

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月刊アスキー 2008年10月号掲載記事

日本で売られている安価な日常品の多くが経由しているであろう世界最大級の問屋街「義烏」は、上海から電車で3時間前後の距離にある。

 数多くの卸売り市場が集まる都市「義烏(イーウー)」は“世界の工場”中国で、ありとあらゆる日用品がそろう場所といわれる。その規模は中国最大、ひょっとしたら世界最大級かもしれない。

 義烏は、日本との直行便がある杭州からは車で2時間、上海からなら電車で3時間前後の距離にある。上海や杭州観光のついでに、現地発での日帰りも可能だ。観光客でも気軽に入れるし、気に入った商品があれば、単品売りから対応してくれる店もある。

 この義烏には、卸売り市場の巨大な建物が何棟も点在するが、中でも最大の「義烏国際商貿城」は大 きく3棟のビルからなり、1棟だけで1万店以上の店舗が出店している。ここだけで毎日4万人強のバイヤーが訪れ、140の国や地域に製品が輸出されている。全店舗のうちの9割以上が輸出の相談に対応し、輸出向けの販売が全体の6割を占めているという。

 規模だけでなく、品ぞろえという点でも中国一であり、例えば義烏国際商貿城では玩具、文具、時計、貴金属、工具、花、金物、光学機器、カバン、傘、工芸品、電気製品などが販売されている。玩具のエリアひとつとっても、電動玩具、空気玩具、ぬいぐるみなどでエリアが分かれ、各エリアに無数の店が並ぶ。中国製の商品でここで買えないものはないといわれ、多くの中国人に加えて、インド系、中東系、欧米系のバイヤーが買い付けにやって来る。

義烏の街中に立ち並ぶビルの中に一歩立ち入ると、小さなブースにそれぞれ個性ある商品をぎっちり詰め込んだ卸売り店が無数に並んでいる。時計や貴金属、布、玩具、傘といった専門店から、ダーツだけを扱う店、携帯電話の販売店まで、さまざまな店が並ぶ。

 商魂たくましい中国人は、個人でもまとめ買いで値切るのは当たり前。そのため、どこの大都市でも、個人の単品売りから対応する卸売り市場がある。だが、義烏がほかの都市の卸売り市場と違うところは、圧倒的な規模と品ぞろえに加えて、店員たちが外国人バイヤーの対応に慣れていることだ。義烏には輸出手続きを代行する企業などもあるため、外国から来たバイヤーでもスムーズに輸出手続きを行える。

 日本では、特に食品に関しては中国離れがいわれているが、日用品では今も中国製が欠かせない。そして、100円ショップで売っているような安い中国製品なら、まず間違いなく義烏が絡んでいるだろう。義烏は、中国製品を扱う輸入業者なら誰もが知っている、現在の日本人の生活にも非常に縁の深い場所なのだ。

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