このページの本文へ

誰も知らないITの未来 第1回

LUNARR高須賀 宣 vs UEI清水 亮 ガチンコ放談 第1回

技術者社長が語る「プログラマはキツい?いや、楽しいでしょ!」

2008年06月30日 04時00分更新

文● 二瓶 朗

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

「とりあえずやってみる」という思考


サイボウズ社内で受付にてその存在感を遺憾なく発揮しているボウズマン

サイボウズ社内で受付にてその存在感を遺憾なく発揮しているボウズマン

高須賀 僕ね、サイボウズをやっているとき、1997年だったかな、ngi groupの小池 聡さんに出会ったんですよ。会社は着実に業績を上げてたんですけど、そのとき、小池さんに「そんな着実にやってたらダメだ」って言われたんですよ。「ボールを高く弾ませるためには高いところから落とさないと弾まないでしょ」って(笑い)。
清水 むちゃくちゃな理屈ですね(笑い)。
高須賀 それでも、結局は着実に経営してたんですけどね(笑い)。それで、サイボウズは日本一のグループウェアを生み出した企業になったんですけど。新しい事業を進めているうちに、実は日本で売り上げ10億円規模の会社を作るのは簡単じゃないかと思い始めて。
清水 いや難しいですって(笑い)。
高須賀 やろうと思えばできますよ(笑い)。でも、そういう規模の会社だと、1000億円、1兆円を売り上げるような会社にはならないんですよね。
清水 堅実だとダメということですか?
高須賀 そう。小さな積み上げで目標を達成しようとすると結局その目標を大きく超えることは難しくなるんです。アメリカに行って、驚いたのは、向こうの起業家はあんまり将来のことを考えてないんすよね。「行くところまで行ってみよう!」みたいな勢いがあって。ビジネスモデルなんかも後付けだったりするんですよね。
清水 とりあえず行ってみよう、って感じですかね。
高須賀 そうそう。でも、大きくなる企業の経営者はそういう考え方のところが多い。日本のVCコンペティションなんかで、ベンチャー企業に対して「そのビジネスモデルは? 3年後に儲かるの?」なんてことが聞かれるわけですよ。アメリカでもそういうことを言うVCもありますけど、それは一流ではない感じ。
清水 とりあえずの利益は置いておくというフトコロの大きさがあると。
高須賀 そう。ビジネスモデルを考えなくても成功できるような企業じゃないと、投資しても結局儲からないってことを向こうのVCはわかっているんですよね。
清水 「なんでもいいや」っていう気もしますけどね(笑い)。
高須賀 でも、実際はその企業が成功するのかしないのかっていうのを正確に判断する力も必要なんですけどね。
清水 向こうだと、成功するまでのタームとかは長いんですか?
高須賀 長い長い。日本みたいに10億円とか30億円とかの売り上げをクリアするなら3年や5年っていう期限が切られると思うんですが、それ以上を求めているから、10年単位の投資っていうのも少なくない。いま振り返ってみると、小池さんもそういうことを言ってくれていたのかなあと。「大きく成功したいなら、ちまちま考えてたらいけない」ということをおっしゃっていたんじゃないかなあ、と最近思うんですよ。
清水 うーん。奥が深い(笑い)。
高須賀 ただね、日本ではそういうパターンてそうそうないから。堅実に売り上げを上げて、上場させて……っていうのがセオリーですし。投資するほうもされるほうも「成功させなきゃいけない」ってプレッシャーがあるのはわかるけど、「どーんと行けや」って思いますね(笑い)。
清水 高須賀さんかっこいい(笑い)。サイボウズの立ち上げのとき、資金はファンドから調達できたんですか?
高須賀 全然。結局自己資金で立ち上げましたよ。まあいろいろあって、会社が順調になってからファンドの人が入ってきたということもありますけど、まあその話はここでは(笑い)。

次ページ「LUNARRをサイボウズでやらなかったわけ」

カテゴリートップへ

この連載の記事
最新記事
最新記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ