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【インタビュー】ルナーCEO 高須賀 宣氏

仮面ライダーカードから生まれたサービスで世界一を目指す

2007年11月12日 11時16分更新

文● アスキービジネス編集部

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米国時間10月1日、日米同時にリリースされたコラボレーション・ソフト「LUNARR」α版。「ドキュメント共有+メール」の機能を搭載したLUNARRのコンセプトは、「デジタルドキュメントに“表”と“裏”の概念を持たせる」というユニークなもの。このコンセプトを開発したのは、サイボウズの礎を築きつつも、同社を突然退社し、米ポートランドにルナー社を立ち上げた、代表取締役の高須賀 宣氏。今回、新サービスの進捗状況と来年早々に登場するβ版の展開について聞いた。

LUNARR Inc. CEO 高須賀 宣氏

LUNARR Inc. CEO 高須賀 宣氏


世界5大陸にまたがるユーザー


――「LUNARR」のα版をスタートとしてから約1カ月たちました。進捗状況はいかがでしょうか?

高須賀氏: 日米同時にリリースして、約1カ月で1200ユーザーを超えました。LUNARRは招待性のソフトウェアなのでユーザー数の伸びは緩やかですが、ログを調べてみると5大陸にまたがっています。開始直後は英語圏を中心に、思った以上にたくさんメディアに取り上げていただけました。

――まったく知名度がないアメリカでどういったプロモーションを展開されたのでしょう?

高須賀氏: 私自身、2005年に1000万ドルの私費を投じて、ポートランドで起業したことで「日本からおもしろい奴が来た」と現地のメディアに注目を浴びたんです。シリコンバレーやサンフランシスコと違って、ポートランドで資本金1000万ドルなら目立つんですね。そこから、経営者やブロガーの人と知り合うことができ、「わらしべ長者」のように紹介の紹介で人の輪が広がっていきました。特にむこうで影響力のあるカリスマブロガーなどに紹介してもらえたことが大きいですね。そういった日米のエッジパーソンから少しずつLUNARRを紹介してもらったんです。


LUNARRは「仮面ライダーカード」


――LUNARRの特徴は「ドキュメントを裏返すとメール機能がある」ということですが、この「表」と「裏」というユニークなコンセプトは何がきっかけになったのですか?

高須賀氏: ある時、紙のドキュメントには表と裏があるのに、なぜデジタルデータには裏がないんだろうと疑問に思ったんです。それで、裏に何をつけるかというときに、「仮面ライダーカード」がヒントになりました。あれって表は「こうもり男」の写真があって、その裏に怪人の特徴やプロフィールなどのメタデータが載っていますよね。同じように、Web上でドキュメントや画像を裏返したら、メタデータがいっぱい載っていたらおもしろいなと思ったんです。それで、そのメタデータに何がいいかと考えたときに「リンク情報」がいちばんおもしろいと考えました。そのドキュメントがどの属性にひも付いるのかを知ることができるからです。

左側が共有するドキュメントを表示したLUNARRの「表」画面。右側がメールのやりとりを表示する「裏」画面(画面クリックで拡大)

左側が共有するドキュメントを表示したLUNARRの「表」画面。右側がメールのやりとりを表示する「裏」画面(画面クリックで拡大)

左側が共有するドキュメントを表示したLUNARRの「表」画面。右側がメールのやりとりを表示する「裏」画面(画面クリックで拡大)

――こういった新しい機能について、ユーザーからの反応はいかがですか?

高須賀氏: コンセプトを話したときには「スゴイ!」と喜んでくれる人と、「ふーん」と静観している人と極端に分かれますね。ユーザーの反応も正直まだ模索中です。最初はターゲットとしてビジネスユーザーを中心に考えていたんですが、Web上のドキュメントのやり取りは一般的な学生さんとかも行なうわけですから、コラボレーション・ツールとして対象を広げていきます。イノベーター的な、ITフリークなどの若い人や学生さんとかに使ってほしいですね。


β版はさらに“コラボレーション”に特化


――2008年早々にはβ版が登場するということですが大きく変わる点は何ですか?

高須賀氏: 今回のα版とユーザーインターフェースはまったく違うモノになります。“すべてのドキュメントに裏を付けてやりとりすると便利”というコンセプトに特化するため、極限まで機能を絞ってシンプルなソフトウェアにします。

――ユーザー数を増やすためにどのような施策を行なう予定ですか?

高須賀氏: β版の成否が我が社の将来にとって非常に大きな意味を持つので、お金を使って積極的なプロモーションをやっていきます。「ルート101」というサンフランシスコやシリコンバレーを経由する南北に長い国道があるんですが、そこに看板を出します。14カ月で50万ドルくらいするんですが、やはりエッジな企業が多いですし、そういった人に訴えたいからです。

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