HV番組の保存にはBD搭載モデルが最適
編集・出力についてだが、チャプター編集・タイトル分割などの編集機能はすべてのモデルが非対応となっている。このポイントはデジタルビデオレコーダーとの比較でPCが弱点としている部分のひとつだ。PCに編集機能が搭載されれば処理速度・ユーザーインターフェイスの面からデジタルビデオレコーダーに対して大きなアドバンテージになると予想されるだけに、編集機能がないのは残念なところだ。
出力については、マウスコンピューター以外のすべてのモデルがDVDメディアへのムーブに対応している。さらにNECではDVDに加えてBDメディアに対するムーブも可能だ。
このうちDVDメディアに対するHV番組のムーブはSDビデオに変換する形となる。一部のデジタルビデオレコーダーのようにH.264トランスコードを利用してDVDメディアにHV番組を記録できるPCは存在しないため、HV番組を録画時の品質そのままで保存したければ、選択肢はBD搭載モデルに限られる。
NEC
東芝
富士通
ソニー
HDD増設で番組を録りまくる!
PCは一般的なAV機器とは異なり、HDDやメモリの増設、周辺機器の追加といったシステム拡張が容易である。ここからは番外編として、HDDユニットの導入により録画時間を増やせるかを確認することにしよう。HDDユニットの導入とひとくちにいってもUSB接続・NASの導入などさまざまな方式があるが、今回はもっとも認識が難しいであろうケースとしてNASを用意した。
早速実験してみると、NASをネットワークドライブとしてドライブ番号を付加した状態にしても、ほとんどのモデルでは番組の保存先フォルダとしてNASを表示できなかったり、あるいは直接フォルダ指定しても有効なドライブとしては認識されなかった。指定できたのはマウスコンピューターの「LM-i441S-PL22W1-DTV」のみだ。
となれば「LM-i441S-PL22W1-DTV」+NASの組み合わせが気になるところ。「LM-i441S-PL22W1-DTV」とNASを100BASE-TX対応ルーターで接続、番組の保存先ドライブにして使用したところ、保存番組の表示や再生処理の開始に気持ち待つことにはなるが、録画・再生ともに無事に実行できた。実用上の問題はないといえるだろう。大量の番組を録画したいと考えている人には要注目のポイントといえる。
富士通
マウスコンピューター
仕事しながらテレビを観るにはお勧め!
地デジ搭載PCはBDレコーダーなどと違い、デジタル放送の番組を録画したデータを容易に編集できないのが難点という結果になった。ただし、PCとテレビを置くスペースがないというユーザーにとっては、PCでデジタル放送を視聴できることで部屋のスペースを確保できるという利点があると言える。また、PCで作業しながらバックグラウンド上でテレビを視聴することもできるのでPCを120%有効活用したければ購入を検討してみてはどうだろうか。
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