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私がライブで撮る理由

2008年04月07日 20時04分更新

文● 小林 伸(カメラマン)

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いじめがいがあるカメラが増えている


 今回はたまたまライブ会場だったが、似たような状況は身の回りにもあふれている。落ち着いた雰囲気を演出するために、ホテルのラウンジやレストランでは白熱電球が使用されることが多いが、さらに調光して2900Kにも届かないところも多い。そういった場所で撮影した際に、どんな雰囲気で写るかをある程度予測できるからだ。

 ライブ会場では、同時に暗い状況で動きの速いアーティストにどれだけピントを合わせ続けられるかも試している。普段使用しているD300を基準に各社のAF精度を体感的に知るというものだ。

 エントリークラスでも最近では性能が上がってきていて、自然光(昼間の屋外)で標準的なレンズを付けて撮影した際に、各社のAF精度にそれほど大きな差があるようには感じられない。

K200Dのサンプル。高感度撮影がより身近かになる中、デジタルカメラを選ぶ上での基準も変わりつつある

 しかし、人工光源に対しては、AFの精度や反応速度に如実な違いが出てくるのである。メーカーや機種によっては、カメラが出す合焦のサイン通りにピントが合わないことが散見される。そもそも暗い場所でのピント合わせが苦手で、AFの動きが止まらず仕方なくMFに切り替えて使用することも多い。

 ライブ会場では、そういった撮影機能のテストのほかにも操作系のレスポンスもかなり重要になってくる。舞台の上手から下手。下手から会場後部のPA付近へと短い時間内に撮影済みの画像をチェックしながら移動しなければならない。

 その間も舞台の進行は着々と進んでいくのであるから、少しでも速いレスポンスで再生や操作ができることが現場では望まれる。ライブで撮ると、単純なスペック値だけでなく、総合的なカメラの性能が問われているのだとしみじみと感じる。

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