最近では28mmからの広角ズーム搭載デジカメも増えてきたが、28mmよりも広い画角というのはあまりない。松下電器産業(株)(パナソニック)の「LUMIX DMC-FX35」は、広角25mmからのズームレンズを搭載するのが大きな特徴だ。
薄型ボディーはそのままに新開発レンズを搭載
従来機「DMC-FX33」(関連記事1)の上位・後継機種にあたるモデルで、FX33の810万画素から1010万画素へと撮像素子を高画素化し、レンズは広角28mmの3.6倍ズームから広角25mmからの4倍ズームに変わっている。手ぶれ補正は従来同様、レンズシフト式の光学手ぶれ補正を搭載する。特に、撮像素子は従来1/2.5インチだったのに対して1/2.33インチと若干大きくなっており、より広角側が強くなったのはCCD面積が増えたことも大きな要因であろう。ズーム倍率が大きくなったことにより、広角側が広がりつつも望遠側は100mmと従来機と同じなのもうれしいところだ。
ボディーデザインもFX33やその前のモデル「DMC-FX30」(関連記事2)をほぼ継承しており、厚さ22mmの薄いボディーに沈胴レンズ、背面右上のモードダイヤルなども同様だ。外観上の目新しい点としては、従来はモードダイヤルの1ポジションにあった再生モードが、背面の撮影/再生スライドスイッチに変更された。背面の液晶ディスプレーはサイズこそ2.5インチとFX33と同じだが、表示画素数は23万画素と高精細になり、FX33の20万7000画素よりもやや奇麗になったほか、周囲の明るさに応じて液晶バックライトの輝度を変化させる“オートパワーLCD”が従来の3段階から9段階へと細かく自動調整するようになった。
撮影機能は大きく変わっておらず、基本的にプログラムオート+各種シーンプログラムを中心とした撮影機能で、FX33から搭載している自動シーン認識モード「おまかせiA」や顔検出AF/AE、動きを検出して自動的にシャッター速度や感度上げる機能、カメラを構える動作(レンズを被写体に向けて動きが緩やかになった時点)でAF動作を始めることでシャッター半押しによるピント合わせが高速となる“クイックAF”などもそのままだ。
画像処理エンジンは新たに「ヴィーナスエンジンIV」となり、高感度ノイズの低減処理が強化されたほか、背景が暗い人物撮影などでは背景をより明るくするような露出調整が施されるようになった。オリンパスのデジカメが採用する「フェイス&バックコントロール」(関連記事3)と同様の処理と思われ、顔検出と暗部補正を組み合わせることで背景の露出を上げつつ手前の人物は明るすぎないような画像となる。特にモードは選ばずおまかせiAの処理のひとつとして入っているため(シャッター半押しの動作は必要だが)、初心者が気軽に撮ってもフラッシュ光の届かない背景まで奇麗に写し込めるというメリットは大きいだろう。また、フラッシュ撮影で顔検出が機能する際には、自動的に撮影時赤目補正が行なわれるようになった。
このほか、内蔵メモリーがFX33の約27MBから約50MBへと大容量化し、バッテリーでの撮影枚数も約280枚から約290枚へと細かく強化されている。