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エンジニア・インタビュー 第4回

ライブドアの社内事情~コンペ発の初サービス「fixdap」で得たものとは~

2008年02月21日 12時36分更新

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 ライブドアのWeb上で昨年12月にリリースされたタスク管理ツール「fixdap(フィックスダップ)」。グループ内で仕事の進捗状況などが共有できる便利なツールだ。発案者は日常、開発現場の第一線に立ちながら、人材管理もこなすいわゆる“プレイング・マネージャー”である。いかにしてアイデアを形にしたのか、シニアマネージャーの谷口公一さんに聞いた。

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株式会社ライブドア                開発部システム開発2グループ シニアマネージャー 谷口公一さん(31)         2003年11月エッジ株式会社(現:株式会社ライブドア)入社。Webアプリケーションの受託開発業務を経て、現在はメディア事業部開発部のシニアマネージャーとして、livedoorの各サービスのシステム開発を行なう傍ら、業務以外でオープンソースコミュニティへの積極的な参加も行なっている。

便利な開発ツールを一般職の人に!

 谷口さんの頭の中には、2007年3月の時点からfixdapの元となるアイデアがあった。それは、IT業界とは関係のない友人との話から生まれたのだそうだ。

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タスク共有ツール「fixdap」のトップ画面。仕事だけでなく、個人的にやりたいことなど、さまざまなタスクが作られている。

「アパレル関係の友人と話をしていたときに、彼女は仕事の進み具合を管理するのに、メモを書いたり付箋に書いて相手のデスクに貼っておいたりすると言っていました。それでも、うっかりして忘れてしまうことはあるし、誰かに伝言をするときにメモ書き程度では、伝えるべきことが十分に伝わっていないこともあるとのことでした。それなら進捗状況を共有できるツールを使って書き込んでいけば、それらによる仕事のミスを防げるのではないかと思ったのです」

 こうしたタスク管理は、プログラマーの世界では、バグを報告しあうなどの情報共有するためのBTS(Bug Tracking System)と呼ばれるツールがあり常用化している。それを一般職の人にも使いやすくできたら便利だろうというのが谷口さんのアイデアだった。とはいえ、谷口さんの普段の仕事はポータルサイト「livedoor」を開発するエンジニアの管理。さらに、自らも開発に携わる立場だ。同社では新しい製品やサービスを開発する場合、基本的にWebディレクターが企画・発案を行なっているという。

「デザイナーやマネージャーがアイデアを持っていたとしても、それを発表する機会はなかなかありません。ディレクターに話を持っていくという方法もありますが、それでもサービスとして形にするまでこぎ着けるのは非常に困難な状態でした」

“社員全員”のアイデアを吸い上げる「社内コンペ」

 ところが、谷口さんのアイデアが発表できる機会は思いのほか早くやってくる。2007年7月になってライブドア社内で、新しいコンテンツの企画を募る「社内コンペ」が開催されることになったのだ。このコンペは社員であれば、通常は企画・開発に携わっていない人でもアイデアを出し、プレゼンすることができるというものだという。第1回目はトータルで40案ほど集まり、応募者の中には入社1年目のデザイナーもいたそうだ。この中で谷口さんは最終的に採用されたのだが、どのようなプレゼンをしたのだろうか。

「なかには図やグラフを入れ、しっかりと作り込んだプレゼン資料もありました。でも、僕の場合はあえてテキストのみでプレゼン資料を作りました。『高橋メソッド』という一般的にも比較的知られるやり方で、資料の1ページ1ページに大きな文字で、多くても10文字程度のフレーズを書いて説明する方法です。まずはコンセプトを知ってもらいたい、見ている方々にイメージを持ってもらいたい、という意図からこの高橋メソッドでのプレゼンをすることにしたのです。大きな字で『ここで!』とか、顔文字なんかが出てきたら、強く印象に残りやすいですからね」

 結果、谷口さんのアイデアは準グランプリに選ばれることとなった。選考では、興味深いアイデアであることと同時に、実現の可能性の高さなども評価されたという。

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