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世界初!フルHDで60p出力が可能に

ビクター、HDD内蔵ハイビジョンカメラ「Everio」新機種を発表

2008年01月29日 19時20分更新

文● 編集部 橋本 優

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 日本ビクター(株)は29日、HDD内蔵ハイビジョンビデオカメラ「Everio」(エブリオ)の新機種として、世界で初めてという1920×1080ドット、60フレーム/プログレッシブ(60p)での出力が可能な「GZ-HD6」と、従来機から約45%の小型化を実現した「GZ-HD5」を発表した。発売は2月中旬で、価格はオープンプライス。

エブリオ GZ-HD6

Everio GZ-HD6

 GZ-HD6では映像出力の信号処理回路に、同社の液晶テレビ「EXE」(エグゼ)で採用されている「GENESSA」(ジェネッサ)を採用。1080・60p表示が可能なテレビとHDMIで接続することで、フルハイビジョン画質で60コマ/秒のプログレッシブ再生が可能になる。これによりジャギー(エッジのギザギザ)やボケを低減できるという。

60pと60i、30pの違い

60pと60i、30pの違い

 加えて、カメラで撮影された映像もプログレッシブで信号処理される。入力/出力ともにプログレッシブ、ということで「W倍密」というキャッチコピーがついている。なお、HDDに記録される際にはインターレスに変換される。

 さらに、GZ-HD6は広域色空間規格である「x.v.Color」の出力に対応。従来の「sRGB」と比べて、立体感や階調表現が優れているという。x.v.Colorもテレビ側で表示に対応している必要がある。

 映像記録方式は、従来と同じMPEG-2。ただし、内蔵HDDが従来の「GZ-HD7」(関連記事)の60GBから120GBになり、1920×1080ドット(ビットレートは最大30Mbps)撮影時でHD7では5時間だった記録時間が、HD6は10時間に伸びている。さらに解像度を1440×1080ドットとし、ビットレートを15~11Mbps程度に抑えた「LP」モードが追加され、最大で約24時間の記録が可能となった。なお、バッテリーによる連続撮影時間は標準バッテリー搭載時で約1時間20分(実撮影時間は約40分)となる。

 レンズは業務向けテレビカメラのレンズとして定評のあるフジノン(株)(FUJINON)製のものを採用。光学10倍、デジタル200倍のズームが可能となっている。

「GZ-HD7」(左)と「GZ-HD6」(右)

「GZ-HD7」(左)と「GZ-HD6」(右)

内部基板の小型化により、本体サイズを小さくした

内部基板の小型化により、本体サイズを小さくした

 本体サイズは幅79×奥行き130×高さ73mmで、GZ-HD7から約40%小さくなっているのも特徴。重量はHD7の約665gから約500gになった(ともにバッテリー含まず)。

エブリオ GZ-HD5

Everio GZ-HD5

 「GZ-HD5」はさらにサイズが小さく、幅78×奥行き130×高さ73mmで重量は480g(バッテリー含まず)となる。ただしHD6と比べて、60pでの出力ができないのと、HDDが60GBである点、外部ヘッドフォン出力がない点が異なる。また、カラーリングがブラックとシルバーの2色展開となっている(HD6はシルバーのみ)。それ以外の仕様は共通だ。上記以外の主な仕様と予想実売価格は以下の通り。

「GZ-HD6/HD5」
撮像素子:1/5型 有効53万画素プログレッシブCCDセンサー×3| ディスプレー:2.8インチ液晶パネル| メモリーカードスロット:MicroSDカードスロット| 入出力端子:HDMI×1、USB×1、i.LINK×1、コンポーネント出力×1、AV出力×1、外部マイク入力×1、ヘッドフォン出力(HD6のみ)|
予想実売価格:17万円前後(HD6)、15万円前後(HD5)


今年は世界的に
ハイビジョンカメラの市場が立ち上がる!?

 今回の新製品発表にあたり、ビクターは東京・新橋の同社ビルで記者発表会を開催した。その中で、モバイルAV事業グループの堀 伸生氏が、ビデオカメラの市場予測について報告した。

堀 伸生氏

堀 伸生氏

 まず、今年の世界市場について、スタンダード画質のものは縮小傾向にあるが、それでも全体の83%を占めるであろうとし、中でもHDD記録タイプのものが数量ベースでトップになるだろうと予測した。また、ハイビジョンカメラについても、1920×1080ドット記録の製品が各社から出揃い、本格的に市場が立ち上がる年になるとの見解を示した。

世界のビデオカメラ市場の動向の図

世界のビデオカメラ市場の動向の図

 一方、国内に関してはスタンダード型からハイビジョン型に急速に置き換えが進んでいるとし、今年は全体の65%がハイビジョン型になると予測した。

国内のビデオカメラの動向の図

国内のビデオカメラの動向の図

 その上で、同社は2007年度はビデオカメラ市場で20%の台数シェアを誇っていたが、年明けの最新の調査ではそのパーセンテージが22.9%にまで上昇しているとし、新製品投入でさらにシェアを伸ばしていきたい考えを示した。

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