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Quad-Core World Tour イベントレポート Vol.3

「ワイルドなバイク」を作る、「マッチョなワークステーション」

2007年11月11日 00時00分更新

文● 編集部 小林 久

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ランボルギーニよりも高速に加速する車はこうして生まれた


 Quad-Core World Tourの会場ではもうひとつ、コルベットをベースにしたキットカー「GTM」を開発しているFactory Five Racingの担当者によるセッションも行なわれた。

GTM

Factory Five Racingの「GTM」

価格はキットのみで2万ドル。これ以外に必要なパーツを揃えると大体4~5万ドルのお金がかかるとのこと。なお、キットを組み立てるメカニックなどの人件費は別。ガレージに自動車2台分ぐらいのスペースがあれば組み立てられるという。

 Factory Fiveは1995年設立のカスタム自動車メーカーで従業員数は25人。エンジンとトランスミッション以外のすべての部品をキットとして提供できる体制を持っているという。写真のGTMは、重量2300ポンド(約1043kg)で450馬力。ミッドシップのV8エンジンを搭載し、サスペンション、ブレーキ、ステアリングに関してはコルベット、トランスミッションに関してはポルシェ911のものを流用しているという。

 キットの代金は2万ドル(約240万円)。0~時速60マイル(時速約96.5km)までの加速は3秒で、フェラーリのEnzoポルシェGT、ランボルギーニのMucielagoなどを上回る性能を持っているという。

ピサーニ氏

マイク・ピサーニ氏

 Factory FiveのR&D Engineerを務めるマイク・ピサーニ(Mike Pisani)氏の話では、HPのワークステーションを導入したことによって、シャーシ設計で60%、シャーシ稼動部分の設計で約30%、ボディーの設計に関して約25%の時間短縮が可能になったという。

 特に大きかったのは、シミュレーションなどを利用して、設計をかなり煮詰めた状態で加工業者に発注を行なえるようになった点。これによりやり取りが減り、大きなコストダウンと時間短縮が可能になった。また、3D CAD上で各種パーツを変更することで、細かなデザインの試行錯誤を行なえるようになったという。

 「テールランプのデザインに関してもコンピューター上でいろいろと試行錯誤できた。手描きのラフで業者と話しながら進めるのは、非常に手間がかかる」(ピサーニ氏)

シャーシー設計とテールランプの設計。コンピュータ上で試行錯誤できるため、かなり効率よく仕事ができるという

 同氏はデュアルコアを採用した従来のマシンから、クアッドコアのマシンに移行したことで約4倍の速度向上を実現できたとも話していた。


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