最近はキーボードも壊さずに済んでるよ
ジェイソン氏は先に製作したHPのバイクに関してはデュアルコア、最近手がけたインテルのカスタムバイクに関しては8コアのHP製ワークステーションを使用したという。
ワークステーション上ではCADやCGのアプリケーション以外にもMP3プレーヤーやYouTube、メーラーなど常時8~10種類のアプリケーションを動作させているが、「HPに変えてからは幸いなことに今のところマシンがフリーズすることもなく、1回もキーボードを壊さずに済んでいる」という。
OCCでは基本的にデザインから部品の製作まですべて内製で行なっている。まず最初にAdobe Photoshopを利用してクライアントとイメージを共有し、自動車メーカーなどで標準的に用いられているAutodesk Alias Studioや、3次元CADソフトのSolidWorksで3次元データ化し、同じくOCCのメンバーである加工担当のジム・クイン(Jim Quinn)氏が「Mastercam」というソフトで作成したプログラムをネットワークを介して、15台あるコンピュータ制御のフライスに送って部品の加工を行なっているという。
部品の加工はジェイソン氏自身が行なうこともあるようだ。OCCは水で6インチの鉄材も切断できる5軸のウォータージェットも2台所有しており、「アルミ、チタン、マグネシウム、プラスチック、ステンレス……といった素材はもちろんのこと、運動靴や野球のボール、チキンナゲット、ベイビーキャロットなんかも切ってみたことがある(笑)」と話していた。
ジェイソン氏は、カスタムバイク製作で一番難しいのはアイデアの整理だと話す。そういうとき、自由にパーツを入れ替えてイメージの確認ができるコンピューターは便利だ。ギターアンプで有名なPEAVEYと共同でギター付きのバイクを設計したときも、会議室でデジタルキャンバスを使って担当者と試行錯誤しながらデザインを仕上げたという。
作業を進める上では、プロセッサーの性能の高さに加えて信頼性も重要になる。現在はHPのワークステーション1台ですべての作業をこなしているそうだが、3D CADデータのクラッシュによる時間ロスなども減り、2~3台のマシンを併用していた従来に対して約半分の時間で作業を進められるようになって快適だともコメントしていた。