米ヒューレット・パッカード社が米国で7日に開催したイベント「Quad-Core World Tour」(QCWT、関連記事)。ここでは、同社ワークステーションビジネスユニットのディレクターで、パーソナルワークステーションのプロダクトマーケティングを担当しているジェフリー・ウッド氏(Jeffery D. Wood)への取材と、新しい製品カテゴリーといえる「ブレード型ワークステーション」のセッションで得た情報を中心に紹介する。
環境にやさしいワークステーションを目指す
QCWTでは、インテルアーキテクチャーを採用した3種類のワークステーションが発表されたが、HPではこれ以外にもローエンド(HP xw4550 Workstation)とハイエンド(HP xw9400 Workstation)にAMD製CPU対応のシリーズを持っており、同社が提供するパーソナルワークステーションは都合5ラインから構成される形になる。
パーソナルワークステーションの利用用途としてHPが考えているものとしては、石油開発、CADやCGといったデジタルコンテンツ制作、金融サービス、医療画像処理などが挙げられるという。
インタビューの中でウッド氏が強調していたのは「信頼性」「効率的な電源管理」「リサイクル対応」の3点だ。
このうちパワーマネージメントに関しては、前回の記事で述べたように、45nmプロセスの採用により、CPUそのものの消費電力が低減している(ウッド氏の説明によると110Wから80Wに)ほか、電源に関しても「80+」と呼ばれる高効率なもの(変換効率80%以上)が採用されている。従来の電源は50~60%程度の効率であった。電源効率が上がれば無駄な電力の消費が減り、発熱を抑えることもできる。
リサイクル性の観点では、全体の重量の90%がリサイクル可能な部品となっている。HPでは、すでに同社製品に使われていた10億トンの材料をリサイクルした実績を持っており、この分野のトップランナーとしての自負を持っているようだ。ちなみに、残りの10%はマザーボード上に載っている一部の樹脂などだという。
同時に有害物質の低減に関しては、米国グリーン調達基準(EPEAT:Electronic Products Environmental Assesment Tool)のシルバーランクに適合した製品をリリースしている。同社では引き続き、環境対応を進め、「EPEATのゴールドランクを目指していく」とウッド氏は話していた。