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Quad-Core World Tour イベントレポート Vol.1

米HP、米国のプライベートイベントで、Xeon 5400/5200対応ワークステーションを発表

2007年11月08日 23時35分更新

文● 編集部 小林 久

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低消費電力化は今後のワークステーションに必須の課題


 Quad-Core World Tourの基調講演に登壇したHPのワークステーション部門バイスプレジデント兼ワールドワイド・ジェネラルマネージャーのジョン・トンプソン(John Thompson)氏は、(モバイルを含めた)ワークステーション製品の第2四半期の成長率が前年比で約40%向上し、市場のシェアも5ポイント増加したことなど、同社のビジネスの現状に関して説明した。

 同社のワークステーションビジネスは過去4年間の平均成長率25%と堅調。コンパックとの合併以降、累計で約270万台のワークステーションを出荷したという。

xw8600

HP xw8600 Workstation。今回同社のワークステーション製品としては初めて1kWを超す電源が搭載されている。高性能化の一方で低消費電力化や電源効率の改善もワークステーション製品の課題になっている

 また、講演では「重量の約90%がリサイクル可能な部品となっていること」「電源も80%を超える高効率のものとしていること」など、環境への配慮も十分に行なわれている点が強調された。

ジョン・トンプソン氏とトム・キロイ氏

HPのジョン・トンプソン氏(右)とインテルのトム・キロイ(左)

 一方、基調講演にゲストとして招かれた米インテルのデジタルエンタープライズグループ バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのトム・キロイ(Tom Kiloy)氏は、マルチコアの意味を改めて強調するとともに、同社のロードマップに関しても説明した。

 キロイ氏は、ワークステーションにおける性能はプロセッサーの処理能力だけで決まるわけではないと話す。処理の待ち時間やレンダリング速度に加え、システムとしての安定性(CADの3次元モデルが壊れることによる時間のロスなどがないこと)も重要なファクターになる。これらを総合的に考えて、xw8600は2世代前のxw8200の約1/12に作業時間を短縮できるという。

ベンチマーク

従来機種とのベンチマーク結果、レンダリング速度だけではなく、システムの安定性もCADやCGの分野では重要な要素

 また、システム全体のスループットを向上させるためには、I/Oの強化も避けられない。キロイ氏は、PCI Express Gen2などI/O部分の高速化に積極的に取り組んでいくことも強調した。

CPUロードマップ

インテルのCPUロードマップ。従来アーキテクチャーのままプロセスの微細化を行ない、その後にアーキテクチャーの見直しを行なうというサイクルを繰り返していく

 なお、インテルでは、プロセスルールの微細化と新しいマイクロアーキテクチャーの開発を交互に繰り返しながら、約2年周期で次々と新しいCPUを投入していく計画を持っている。Xeon 5400/5200は従来のIntel Core Micro Architectureを45nmプロセスに微細化したものとなるが、来年以降登場するNehalemでは新しいマイクロアーキテクチャーを採用。さらにそれを32nmに微細化したWestmere、32nmで新しいアーキテクチャーのSandy Bridgeへと進化させていくという。

 Vol.2では、ワークステーション担当者への個別インタビューや導入事例を交えながら、ワークステーションならびにブレードワークステーションの今後に関して紹介する。


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