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「Windowsと新しいコンピューティングをつなげる」――マイクロソフト、Windows Live発表会を開催

2007年11月08日 19時22分更新

文● 編集部 小西利明

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スティーブ・バルマー氏

Windows Liveサービスについて語る米マイクロソフト社CEOのスティーブ・バルマー氏

 既報のとおり、マイクロソフト(株)は8日、ウェブサービス「Windows Liveサービス正式版」の提供を開始した。同日、東京都内ではWindows Liveサービスについての記者説明会が行なわれ、来日中の米マイクロソフト社CEOのスティーブ・バルマー(Steave Ballmer)氏らにより、Windows Liveサービスの概要の説明やデモの披露が行なわれた。なお、Windows Liveサービス正式版については関連記事を参照のこと。

Windows Liveサービスで提供されるサービスの一覧

Windows Liveサービスで提供されるサービスの一覧。ここにはまだ日本で提供されていないサービス(たとえばWindows Live SkyDrive)の名も挙げられている


SaaSよりもいいとこ取りの“Software+Service”をLiveで実現

 マイクロソフトは常々、米グーグル社などが展開するウェブサービス(SaaS、Software as a Service)に対抗して、「Software+Service」という言葉を用いている。ウェブサービスだけでなくOSやリッチクライアントを連携させることで、より良いユーザー体験をもたらすという意味だ。Windows Liveサービスはまさにこの典型で、ウェブサービスとクライアントソフト、あるいは他のアプリケーションと連携して機能を実現している。

 バルマー氏の講演も、この“Software+Service”を実現するのがWindows Liveサービスであるという観点から進められた。バルマー氏はWindows Liveサービスを称して、「Windowsと新しいコンピューティング(ウェブサービス)をつなげるもの」と定義。デスクトップ、エンタープライズ、ウェブ、デバイスという4つの点について、Windows Liveサービスがもたらすものについて語られた。

 バルマー氏はまず日本のオンライン環境について触れ、世界的なブロードバンド化の流れに大きく先行していること、携帯電話のブロードバンド化も進んでいることを、「日本はポケットまでブロードバンドに」という言葉も使って賞賛した。また、ブロードバンド化の進展に加えて放送のデジタル化が進んでいる状況や、オンライン広告の広告費が増大している点などを踏まえて、「今後数年間で、あらゆる形のメディアはデジタル化する。今後数年間ですべての印刷媒体、新聞、テレビなどはIPネットワークより配信されることになる」との見解を示した。また一方で、「IPネットワークはニュース媒体ではなく、ソーシャルな活動の媒体になる」とも述べた。

バルマー氏が示した日本のオンライン体験の状況

バルマー氏が示した日本のオンライン体験の状況。あらゆる通信のブロードバンド化と放送のデジタル化、ソーシャルなサービスの拡大などが挙げられ、数年で「あらゆるメディアはデジタル化する」とした


「ビル!今のパットを見たかい?」

 バルマー氏は自身が好きというゴルフを例に、ごく近い未来の製品のシナリオを挙げた。「テレビでタイガー・ウッズの素晴らしいパットを見たら、(テレビに向かって)『ビル!あの素晴らしいパットを見たかい?』と語りかける。するとテレビは私の声を認識し、『ビル』が『ビル・ゲイツ』であると認識する。ビルが世界のどこにいても見つけ出してくれて、『タイガーの今のパットを見たか?』というメッセージとリンクを送る。(リンクをクリックすると)ビルが私の見た画面をすぐに見ることができる」。バルマー氏は、これらのシナリオの個々の部分は、個別のサービスで実現されているものもあるとして、日本でも今後、このようなサービスが実現されていくだろうと述べた。

 Windows Liveサービスが実際に実現している“Software+Service”の実例も簡単に紹介された。“デスクトップ”の面ではWindows Vistaとの連携、“エンタープライズ”の面では強固なセキュリティーが挙げられた。特にセキュリティーに関しては、「医療情報などは(コンシューマー向けサービスであっても)エンタープライズ並みの保護が必要である」と述べている。また“ウェブ”の面では、すべてがウェブサービスで実現されるというSaaSの考え方に対しては、「多くがウェブの恩恵を受けるが、“いいとこ取り”が重要である」と述べ、ウェブサービスだけで実現しようとするよりも、クライアントOSやアプリケーションの利点も組み合わせることがユーザー体験を高めるとしている。

Windows Liveサービスは統合されたインストーラーで提供される

Windows Liveサービスは統合されたインストーラーで提供される。必要なサービスを選んで実行すると、クライアントがまとめて導入される

インストール後のWindows Liveのトップページ

インストール後のWindows Liveのトップページ。メーラーやインスタントメッセンジャー、SNSなどのサービスへのフロントエンドとなる

Windows Liveサービスのひとつ「Windows Live フォトギャラリー」

Windows Liveサービスのひとつ「Windows Live フォトギャラリー」。見た目や機能はWindows Vistaの「Windows フォトギャラリー」とほぼ同様だが、画像の共有やブログへの投稿機能などを備える

Windows Live フォトギャラリーでの、パノラマ写真作成機能のデモ

Windows Live フォトギャラリーでの、パノラマ写真作成機能のデモ。滝を写したさまざまな写真から……

Windows Live フォトギャラリーでの、パノラマ写真作成機能のデモ

重なる部分を検出してパノラマ写真を自動で合成する。余分な部分をトリミングすれば完成

完成した写真は、Windows Live フォトギャラリーから直接「Windows Live スペース」にアップロードできる

完成した写真は、Windows Live フォトギャラリーから直接「Windows Live スペース」にアップロードして家族や友人と共有できる


Windows MobileとWindows Liveの連携で
スマートフォンがより便利に

 デモで披露されたWindows Liveサービスの利点のひとつが、“デバイス”の面で挙げられたWindows Mobileとの連携であった。最新の「Windows Mobile 6」では、標準でWindows Liveサービスとの統合が図られている。デモではWindows Mobile 6搭載スマートフォンを使い、パソコンから同期した連絡先情報を使って、連絡を取りたい相手にWindows Live メールWindows Live Messngerを送ったり、音声通話を行なうなど、さまざまなコミュニケーション手段を選択できるという様子が披露された。

「Windows Mobile 6」搭載スマートフォンを使ったWindows Liveのデモ

「Windows Mobile 6」搭載スマートフォンを使ったWindows Liveのデモ。画面ではWindows Live Messengerを使っている

Windows Mobile 6にはWindows Liveサービスが統合されている

Windows Mobile 6にはWindows Liveサービスが統合されている。さまざまなサービスをパソコン上と同様に利用できる

連絡先に対して音声通話やメッセンジャーを送るなど、さまざまなサービスを利用できる

パソコンと同期した連絡先に対してのアクションを選択している様子。その人のWindows Live スペースを開いたり、音声通話やメッセンジャーを送るなど、さまざまなサービスを利用できる

 また、パートナー企業との協業については、Windows Live Messngerを軸としたエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)(NTTコム)との提携も発表された。「Windows Live Call」というアプリケーションを使用し、Windows Live Messngerに登録された連絡先に対して、NTTコムのVoIPサービスでパソコンから固定電話や携帯電話、国際電話をかけられるというものである。ほかにも、日本電気(株)の次の春モデル新製品パソコンでは、Windows Live Messngerがプレインストールされるなど、パートナーとの協業も拡大される。

PCメーカーからISP、動画配信サービスや情報サービスなど、さまざまな企業がパートナーに名を連ねている

PCメーカーからISP、動画配信サービスや情報サービスなど、さまざまな企業がパートナーに名を連ねている

 最後にバルマー氏は、Windows Liveの登場で「次世代のウェブサービス、モバイルサービスが市場に展開される」と述べ、Windows Liveが今後のWindowsとSoftware+Serviceの方向性を示していくとした。

 また、質疑応答でウェブサービスの分野で先手を打ったサービス展開を行なう米グーグル社に対しては、「グーグルが先行しているのは検索だけ。検索以外では我々が先行している」と強気なコメントをした。同様に、グーグルの携帯電話向けプラットフォーム「Android」(関連記事2)についても、「まだ紙の上の言葉にすぎない。オープン化はWindows Mobileでうまくやっており、150以上のデバイス、100を超える事業者がある」と、実績の違いを挙げて自信を示した。

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