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集合知の蓄積・再利用を実現

ネットの特性を理解したコラボレーションサービス

2007年10月26日 17時53分更新

文● アスキービジネス編集部

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インターネットの普及がもたらした最大の変化は、なんといってもコミュニケーションの方法だ。ネットコミュニケーションのパフォーマンスを最大限に引き出せば、特にチームワークが必要な業務での情報共有に絶大な威力を発揮する。


ネットの特性を最大限に引き出せるアプリケーション


 インターネットを介すれば、1対1のコミュニケーションに限定されず、離れた場所にいる複数の相手と同時にやりとりしたり、ドキュメントを添付して一緒に送ることもたやすい。同じデータを同時に参照することもできる。

 地理的制約や内容、相手の人数に限定されず、双方向のコミュニケーションが可能なインターネットの特性を生かしたさまざまなアプリケーションがこれまで提供されてきたが、ビジネス向けの分野では、部門間や企業間にまたがるコラボレーション(共同作業)を支援する製品またはサービスの増加が著しい。単に情報流通の利便性を追求した結果というより、コラボレーションの省力化、時間短縮、コスト削減といった、生産性や経済性の向上を望む強いニーズに応えられるからだ。ほかに、コラボレーションの結果として生み出された集合知の蓄積・再利用をシステマティックに実現できる、という提案も含まれているだろう。

 こういったアプリケーションは当然ネットワーク利用を前提にしているため、非常にSaaS向きだと言える。しかもWebブラウザを介して利用するため、いわゆるメーラー(メールソフト)に代表される専用アプリケーションが一切不要になる点も決して小さくないメリットだ。

 実際のSaaS・ASPサービスの内容は、コラボレーションの目的によって多種多様だ。メールなどの汎用型コミュニケーションツールの使い勝手をさらに向上させたものや、共同設計・プロジェクト管理など特定用途のソフトウェアをオンライン化したもの、グループワークのセキュリティを強化する周辺分野のサービスなど、多岐に渡る。

 また、特に社内業務のグループワークを総合的に支援するアプリケーションの「王道」、グループウェアも健在だ。最近の傾向としては、Web2.0のトレンドを取り入れた「マッシュアップ」型のものが増えている。単一のWebブラウザ上で外部サイトの情報や機能をユーザーのニーズに応じて自由に取り込み、組み合わせるようにしたものだ。

 現場の経費で導入できる利用料もSaaSの魅力であり、今後普及に弾みがついていくことだろう。

●グループウェア導入前 連絡ルールが担当者まかせのため、情報の共有も内部統制も困難

現代のように情報伝達の手段が多様化すると、情報送...

現代のように情報伝達の手段が多様化すると、情報送受信の利便性が増す一方で情報が散逸しやすいという問題が起こる。IT環境の普及によって、日々扱う情報の量が劇的に増えたため、情報の整理が追いつかないという問題もビジネスの現場では多発している。「情報整理のための作業」や「コミュニケーションのための作業」が増大すると、コミュニケーションそのものが機能不全に陥り、業務はもちろんのこと、グループワークやコラボレーションにも支障をきたしかねない(画面クリックで拡大)

●グループウェア導入後 共有すべき情報がデータベースに一元化され、連絡ルールや内部統制の徹底を実現

たとえばグループウェアを導入すると、流通する情報を一つ...

たとえばグループウェアを導入すると、流通する情報を一つのアプリケーションに統合できるようになる。コミュニケーションの目的別に情報を整理できるようになっており、「情報を扱うための作業」に必要以上の時間を費やす無駄がなくなる。また、情報の集中と共有が極めて容易になることも重要だ。グループワークやコラボレーションはもとより、内部統制やナレッジマネジメントの観点から見ても、情報の散逸防止を図ることが可能になるからだ(画面クリックで拡大)

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