ケータイのワイヤレスヘッドセットにもなる携帯音楽プレーヤー
【レビュー】松下「D-snap SV-SD950」のBluetooth機能を試す!
2007年10月09日 20時00分更新
松下電器産業(株)が9月下旬に発売した「D-snap SV-SD950」(関連記事)は、今年4月に発売された「SV-SD850」の上位機種となるSDオーディオプレーヤーだ。本機は新たにBluetooth送受信機能を搭載し、Bluetooth通信に対応した携帯電話機やHDD内蔵SDミニコンポ「D-dock SC-SX950」、カーナビゲーションシステムなどとワイヤレスで接続することが可能になった。特にケータイやD-dockとは双方向での通信が可能になっている。今回はBluetooth機能を中心に、本機のレビューをお届けする。
本体サイズは幅35×奥行き12.3×高さ91.3mmで、重量は約38g。外観はSV-SD850とほとんど変わらず、頼りなく感じるほど小さく薄く、そして軽い。合計5色とカラーリングのラインアップが多かったSV-SD850とは異なり、現在のところシルバーとブラックの2種類となっている。ただし塗装の仕上げは美しく、高級感が与えられている。手触りはプラスチック感も強いが、サイズや重量、価格を考えれば妥当な選択だったのだろう。
コネクターやボタンは基本的にSV-SD850と同様だが、SV-SD850では不自然に空いていた操作部左上の部分には、受話器のマークが付いたボタンが配置されている。一瞬、電話機能が内蔵されたのかと誤解してしまうが、実はあながちハズレではない。SV-SD950は、Bluetooth機能を搭載する携帯電話機の着信をSV-SD950で受け、通話する機能があり、これを起動するボタンだからだ。
もちろん、あらかじめSV-SD950に携帯電話機をハンズフリーBluetooth機器として登録しておく必要はあるが、着信があったときには受話器ボタンを押すことで通話できる。この際、本体に付属するイヤホンをイヤホンマイクとして使用する。SV-SD950には、周囲の雑音を検知して位相を反転させ、その音で雑音を打ち消す「騒音キラー」が搭載されており、付属のイヤホンには周囲の騒音を検出するためのマイクが内蔵されている。この検知用のマイクを通話に使用するわけだ。
携帯電話機の登録
マイクはハウジングに内蔵されているものの精度は高く、イヤホンを耳につけたままで十分通話が可能だ。着信すると再生中の音楽がフェードアウトし、ディスプレーに相手の電話番号や氏名(携帯の電話帳に登録してある場合)などの情報が表示される。着信音が外に漏れないため、周囲を気遣う場所などでも有効な機能といえるだろう。通話後は、右上にあるサーチ(検索)ボタンを押すと、電話が切れて再び音楽がフェードインして再生される。
また、制限はあるものの、着信だけでなくSV-SD950からBluetoothを介して携帯電話機から発信することも可能だ。かけられる番号は、携帯電話機のメモリーダイヤルの「000番」に登録されているもののみとなるが、発信は受話器ボタンを長押しするだけで済むので、簡単だ。例えば、携帯電話機をバッグに入れたままで、ポケットに入れたSV-SD950から携帯電話機を操作できる。SV-SD950からの通話操作に慣れてしまうと、携帯電話機でさえ大きく重く感じてしまうから不思議だ。
携帯電話機との連携では、音楽送受信用の「A2DP」プロファイルに対応しているため、電話の発着信だけでなく、携帯電話機に保存された音楽(着うたフルなど)をSV-SD950で聴くこともできる。さらに、著作権保護技術の「SCMS-T」にも対応しているため、携帯電話機がワンセグ対応機種で、かつ音声のBluetooth送信に対応していれば、ワンセグの音声をSV-SD950で聴くことも可能だ。SV-SD950とイヤホンをベースに、イヤホンを付け替えることなく複数のソースを切り替えて楽しめるメリットは大きい。