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ビデオ編集ソフト

レビュー:Adobe Premiere Pro CS3

2007年08月23日 22時57分更新

文● 斎賀和彦

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Flashとの連携も魅力、「Premiere」がMacで復活


Adobe Premiere Pro CS3 【SPEC】
開発/販売元●アドビ システムズ(株) 価格●9万8000円、2万6000円(アップグレード版)
http://www.adobe.com/jp/

対応システム●OS X 10.4.9以上 対応機種●インテルCPUを搭載したMac

【COMMENT】
高度なエフェクトにはAfter Effectsが必要だが、基本的な編集機能は充実している。Flashビデオの書き出しを筆頭にウェブ制作との親和性が高い。


 Mac市場へ再参入を果たした「Adobe Premiere Pro CS3」は、「CS3」の名に恥じない大幅な機能強化を果たしている。

Adobe Premiere Pro CS3

「Adobe Premiere Pro CS3」の主要インターフェース。(1)取り込んだビデオを表示/管理するプロジェクトパネル、(2)素材のプレビューや編集点を設定するソースパネル、(3)編集中のシーケンスを再生するプログラムパネル、(4)音の強弱などを変更するオーディオミキサーパネル、(5)情報/エフェクト/ヒストリーを表示するパネル、(6)編集中のシーケンス構造を表示するタイムライン、(7)ボリュームメーターと基本的なツールパネル

インターフェースはデュアルモニターを基本とし、タイムラインは複数表示が可能になった。これらはアビッドテクノロジー(株)の製品群や「Final Cut Pro」などのプロ用ノンリニアソフトのスタイルだ。

 読み込み可能なフォーマットは、DV、HDV、非圧縮で、検索機能を備えた素材管理プロジェクトパネルで一元管理できる。

Adobe Premiere Pro CS3

素材管理プロジェクトパネルには検索機能が備わっており、多くの素材を取り込んでも目的のデータを見つけやすい

フォーマットは混在させられないが、レンダリングなしに複数のオーディオとビデオを再生しながら編集できる。色補正などはホイール操作で調整可能だ。

ホイールによる色補正は一般的なスライダーよりも直感的に操作できる。キーフレームを打つことで、時間経過とともに色を変化させることも可能

また、設定を維持したままクリップを差し替えることもできる。タイトルツールは多彩なプリセットが用意されているので、作業時間の短縮に役立つだろう。

Adobe Premiere Pro CS3

実際のビデオ画像を下に敷きながら文字入れやレイアウトが可能なので、完成をイメージしやすい。プリセットが多数付属するのも便利

 特筆すべきはFlashビデオ(FLVファイル)を直接書き出せる点で、ウェブ制作との親和性が高まった。

Adobe Premiere Pro CS3

FlashビデオやBlu-ray用のH.264などさまざまな書き出しフォーマットを備える。書き出し時にトリミングやリサイズの作業もできる

これが新しいPremiereの最大のポイントかもしれない。その意味でも、Premiereが想定しているのは映画や放送のようなハイエンド向けの映像制作だけではない。限られた予算でも、ビデオを編集、配布用DVDを焼く、ストリーミング配信する──といった作業が必要な映像制作ビジネスでもその強さを発揮する、守備範囲の広い製品といえる。


(次ページに続く)

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